介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

介護施設のヒエラルキーがひどすぎる件について……一番損をするのは誰?

 

閲覧ありがとうございます。介護福祉士をしているTAKUMIと申します。

 

2019年9月16日、敬老の日ですね。

 

 介護職の方は、利用者様に何か贈り物やお祝いなどされているでしょうか?

または介護職やそうではない方も、ご高齢者を敬う機会となりましたでしょうか?

 

 今回は、介護施設でのヒエラルキーがひどすぎる件についてお話したいかと思います。

ちなみに、ヒエラルキーとは、「階層」や「階級」といった意味を持ちます。

会社でいうなら、上司→社員→新人や、年功序列のことです。

 

 【目次】

 

 

f:id:fukushimirai:20190505102556j:plain

 

介護施設でのヒエラルキーがひどすぎる件について

 

 介護施設ヒエラルキーがひどすぎます。

というのも、上下関係の圧力が強すぎるという意味ではありません。

多少なりとも組織に階層構造があるのは仕方のないことだとして、介護施設でのヒエラルキーは順番がおかしいのです。

 

 個人的には、介護施設での階級は一番上と一番下が逆だと思っています。

 

介護施設でのヒエラルキーの順番

 

 施設によっても違うかもしれませんが、ここでは個人的な見解によって、介護施設でのヒエラルキーの順位付けをさせて頂きます。

 

 パート→上司→職員→利用者

 

 これが、介護施設でのヒエラルキーです。

同じく介護現場に従事している同志の方には、共感して頂けるかもしれません。

 

最強なのはやっぱり◯◯

 

 介護現場の階層構造で最強なのは、主婦です。

まぁ、いわゆるお局様といわれるやつなのですが、やっぱり最強です。

 

 なぜなら、基本的に職員の中では年齢も経験も上で、仕事に加えて自宅での家事経験があります。

家庭環境や生活空間を提供している介護施設では、当然自分が一番能力が高いという思い込みがあります。

もちろん、勉強になることも多くありますし、主婦の知恵や勘には驚かされてばかりです。

しかし、自宅での家事のやり方をそのまま会社に持ち込まれては困りますし、「お局」といわれる位置にいる人はたいてい認知症ケアが苦手です。

 

 それなのに、介護施設でのヒエラルキーとしてはやはり一番上の位置にいます。

 

 

なぜ、上下関係がおかしくなるのか?

 

 ひとことでいえば、人手不足だから辞められると困るです。

 

 私は、人手不足だからといって、現場をめちゃくちゃにするような人を置いておくのはナンセンスかと思いますが、簡単に辞めてもらえるものでもないようです。

 

 実際、1人でも減ったら、その分の業務負担は周囲の人間に降りかかりますし、すぐに新人が入ってくれるというものでもありません。

それを考える上司は、現場のため、みんなのためと、お局様の気分を良くしたり、愚痴を聴いてあげたりされます。

しかし、それをしたところでお局様は余計に付け上がるだけです。

「言ったら聴いてもらえるんだ」と、どんどんワガママになっていきます。

 

 そして、現場職員のストレスへとつながっていきます。

 

職員の我慢したストレスはどこへ?

 

 好き勝手にやるお局様、それを見過ごし自分たちに変化と努力を求める上司、これらにより職員はストレスを抱えます。

こういったヒエラルキーによるストレスを社員や職員が抱えるのは、どんな会社にでもあるとは思いますが、介護施設ではその後が問題です。

 

 先ほど、私の個人的な見解で順位付けしたヒエラルキー、一番下に利用者様が位置付けされています。

 

 お局様や上司によって、抑えつけられた怒りやストレスは、最終的に利用者様に降りかかるのです。

だから、虐待身体拘束が起きてしまうのです。

 

 冒頭でも、ご高齢者を敬うことができていますでしょうか?とお伺いしました。

近年、介護施設で虐待や身体拘束が多く見られるのは、敬う心が足りていないというのが原因だと、私は思いません。

むしろ、敬う心が全くない職員は、相手がご高齢者だろうが馬鹿を言い合って、ストレスを上手に発散されているように感じます。

真面目な介護職員さんの、会社やその組織で抑圧されたストレスこそが原因の種なのだと主張させて頂きます。

 

一番損をするのは誰?

 

 答えは、みんなです。

 

 私自身も、虐待までとはいかなくても、グレーゾーンといわれるスピーチロックをしてしまったことがあるという自覚は大いにあります。

「ちょっと待って」の連呼や「それはしてはダメ」という行動の制止をしてしまった経験はありますし、今でも言ってしまう時はあります...

そういう時、いつも自分自身を責めてしまうのです。

 

 そして、実際に虐待でもしてしまえば、企業としての損失となりますし、好き放題やっていたお局様は他の集団に入ることができないくらいにワガママは膨張されていますし、

みんなが損をするというよりは、誰が得をするのかという話です。

 

 今一度、正しきヒエラルキーの順番に直さなくてはなりません。

 

 

f:id:fukushimirai:20190507110106j:plain

 

理想のヒエラルキー

 

 おそらく、話の流れからして、利用者を一番上に位置させようと提案するのかと思われるかもしれませんが、違います。

 

 ここで、理想のヒエラルキーを提案するとしたら、階層構造が存在しないことです。

つまり、介護施設ヒエラルキーは必要ありません。

全員が意見する場を設け、共有する場が必要となります。

 

 もちろん、意見した人や上司など、責任の所在を明らかにしておく必要はありますが、固定された階層構造は必要ないでしょう。

介護現場の問題解決や質の向上のために、みんなが解決策を考え、みんなが実行に移すような平等な集団が理想かと思います。

 

 理想を論じているようにみられるかもしれませんが、変な上限関係をなくし、みんながストレスフリーに働くには、お互いが敬い合わなくてはなりません。

 

 敬老の日に記事を書きましたが、年齢が上だからという理由だけで、無理して敬う必要はなく、お互いに尊敬し合える関係作りが必要だということが言いたいのです。

 

 どうか、介護施設から「我慢」というストレスが少しでも減ることを願っています。

 

閲覧ありがとうございました。