介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

介護施設の『人手不足』による弊害3選。そして必要な改革とは?

 

 閲覧ありがとうございます。介護福祉士のTAKUMIと申します。

 

 今回は、『人手不足』によって引き起こされている弊害を多くある中から3つ選び出し、必要となってくる改革が何であるかを提案したいかと思います。

 

正直、考え方や工夫次第で『人手不足』も気にならないかと思います。

一番ダメなパターンは、「国や会社、世の中がなんとかしてくれるだろう」と他人任せにして何も行動や変化を起こさないことです。

 

介護現場での仕事を、今よりちょっとでも楽にして頂ければなと思います。

 

 【目次】

 

 

 

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『人手不足』による弊害3選

 

 まずは、『人手不足』により引き起こされている弊害です。

 

他にもたくさんあるのですが、今回のお話では3選に絞らせて頂きました。

 

 

 

休みがとれない。

 

 まず1つ目、休みがとれないです。

 

まぁ、当たり前の現象なのですが、『人手不足』に陥った介護現場では休みがとれません。

他に仕事を任せる職員がいないがために、自分が出るしかないのです。

 

 そして、ここで重要としておきたいのが、「休日」ではなく「休み」がとれないのです。

業務時間外に行われる会議などで休日出勤しなければならないだけではなく、業務時間中に終わりきらない仕事を持ち帰ったり、会社に残ったりしなければならない状況にあります。

そして、職場で何かトラブルがあった時のために、管理職の方は休日であっても電話に出れるようにしておかなくてはならないこともあります。

これでは、毎日職場を意識しなければならないため、プライベートな時間を過ごせません。

有給休暇をとるなんてもってのほかで、「家族サービスのために」「子供の授業参観のために」と会社を休む人がいれば悪者扱いする始末です。

 

 まぁ、これらは一般企業でもよくある話なのかもしれませんが、なぜ、ここまで敏感になるかというと、介護職には「余裕」が必要だからです。

介護職ほど精神的に余裕を持つことが重要である職業はないかと思われます。

なぜなら、認知症ケアはとても繊細で、介護現場の人間関係は複雑だからです。

 

 例えば、自分が生活に困り身体にも環境にも不満がいっぱいなご高齢者が「助けてほしい」と思って近づいた介護者の人が、不満だらけの顔をしていたらどうでしょうか?

ご高齢者の不安は加速され、「家に帰りたい」「誰か助けてー!」となってもおかしくはありません。

介護職には「余裕」が必要なのです。

そのためにも、しっかりと休みをとってガス抜きをしないといけないのです。

 

個人的には、目の前の利用者様に一生懸命になりすぎている介護職より、プライベートや心身ともに充実した気持ちに余裕のある介護職の方が質の高いがケアできると思います。

「よっしゃ!今日も頑張るぞ!」と意気込んで出勤する人より、

「何か自分にできることはありますか?」とフラっと利用者に寄り添う人の方が良いケアをするイメージです。

 

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減っていく職員、増えていく業務。

 

 『人手不足』ということなので、人手は足りていません。

そして、そういう職員の定着率の悪い所は少しずつ減っていく一方であります。

 

 私は、雰囲気の悪い施設には2種類の特徴があると思います。

職員の入れ替えが激しく定着率の悪い所と、定着率は良いが経営者が現場を放置気味で職員にとって都合の良い職場になってしまっている所です。

 

職員の定着率が良ければいいともいえませんが、

前者に、職員を消耗品としてしか見ておらずその場しのぎの仕事をこなし続ける傾向がある場合や、

後者に、職員が好き勝手やってしまっている場合には、

利用者にとって安定したケアやサービスが提供されないという支障が出てくるかと思います。

どちらにしても、土台となるケアやサービスの確率がされていれば防げることなのですが。

 

 

 話がそれましたが、職員数が減り人手が不足しているというのに、業務量や内容に変化がないのはおかしな話です。

 

例えば、10人の職員で10個の業務をこなしていたとしたら、1人当たり1の業務量です。

それが、職員数が8人、5人と減っていっているという現実があるのに、未だに業務の見直しがされていないところがほとんどではないでしょうか?

 

おそらく、今までやってきた仕事内容をいかに改善させるかというアイデアがなかなか出なかったり、楽をすることに罪悪感を覚えてしまっている方もいるかと思います。

しかし、今より業務を減らすのは、利用者により良いケアを行うためです。

「次の新人が入ってくるまでの辛抱だ」などと言って肉体を酷使するのではなく、まずは、ストレスフリーに働くために無駄な業務を省いていく取り組みに力を入れましょう。

そうすることで、自分自身だけでなく、利用者、現職員、新人職員のためにつながります。

 

みなさまの介護現場に「余裕」が生まれるためのアイデアが出てくることを願っております。

 

 

 

教えて任す余裕すらない。

 

 先ほど、雰囲気の悪い施設の特徴として、職員の入れ替えが激しい所があるというお話をしましたが、

職員が辞めたからと次々に新人を雇うのは『人手不足』の対策として最悪かと思います。

 

なぜなら、すでに職員は不足していて教える余裕もないのに、1から教育が必要な職員を入れるのです。

 

 毎回1から教育する必要のある人材を雇うより、まずは現在の業務を楽にするために時間と労力を投資するべきかと思います。

 

例えば、未だに紙文化から抜け出せずにいくつもの用紙に手書きしている手間があるとしたら、

タブレット端末などを導入することで、ワンタップでの記録、リアルタイムで情報共有させることができ、記録の手間と申し送りの時間が削減されることでしょう。

 

 むやみに即戦力にもならない新人を雇い、研修費用などにお金をかけるくらいなら、機械の導入などにお金を使っている方がいいです。

そういった取り組みの方が先に行うべきだと思うのは私だけでしょうか?

 

 

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必要な改革とは?

 

 

 今回の話の結論としては、未だに人手が必要な働き方をしていることに問題がある

 

つまり、「無駄を省いて余裕を作る」が必要な改革であるということでした。

 

人手が必要とされない働き方を確立していけば『人手不足』も気にならないかと思います。

 

 

 もう一度繰り返しますが、無駄を省くのはサボるためではなく利用者により良いケアを提供する”余裕”を作り出すためです。

そして、最も強調してお伝えしておきたいことは、介護職ほど心に余裕が必要な職業はないということです。

 

もし、肉体的にも精神的にもギリギリの段階で仕事されている方や家庭介護されている方がおられましたら、まずは自分自身に”余裕”を取り戻すことから始めて下さいませ。

 

自分自身の世話もできないのに、他人の世話ができるわけがないことを自覚しましょう。

 

閲覧ありがとうございました。