介護現場の不可解な点。~介護現場っておかしくないですか?
介護職員の方々に聞きたいことがあります。
ストレスフリーに充実した毎日を送ることができているでしょうか?
おそらく、いやほぼ確実に、「NO」と答える人が大半を占めるかと思います。
なぜなら、介護という仕事は、肉体的にも精神的にもストレスのかかりやすい仕事だからです。
しかし、そのストレスのかかり方に不可解な点があります。
それを今回はお話して、介護という仕事の質を向上させ、やりがいを感じていくために必要な改革について考えていきたいと思います。
【目次】
やっぱり、介護現場っておかしい。
「やっぱり」ってどういうことだよ。と思われるかもしれませんが、そもそも、そこまで負担のかかる仕事ではないはずなのです。
もちろん、人様のお世話、つまり介護をすることは容易なことではありません。
育児と同じくらい大変なことです。
しかし、たかが高齢者の生活を支えるだけのことです。(失礼な表現かもしれませんが)
我々より心身が弱っているご高齢者の方の生活を維持するだけのことで、現在の介護現場にみられるほどのストレスを抱えるのはおかしな話です。
なぜ、ただ介護をしているだけなのに、ここまでのストレスを抱えなくてはならないのか?
答えは簡単です。
介護とは関係ないところでのストレスが多いからです。
つまり、介護現場は、実際の介助行為などとは関係のないところに問題がありすぎるのです。
その介護現場の不可解な点をお話していきましょう。
ストレスの元が利用者と関係ない。
介護職員のあなたが抱えるストレスの元は何でしょうか?
一般的によく耳に入るような、介護職のストレスの元は以下のものたちです。
・低賃金 ・重労働 ・過酷なシフトワーク ・人手不足で負担増
・人間関係 ・お局様からの攻撃 ・会社による悪質な扱い
など、様々な要因が挙げられますが、考えてみて下さい。
どれも利用者である高齢者の方とは関係のないことではありませんか?
(もちろん、重労働や認知症ケアによるストレスを抱える人もいるかと思いますが)
利用者とは関係のないところでストレスを抱え、介護士さんの優しさや思いやりがストレートに伝わらないのは、残念なことです。
こういったことを口にすると、昔の人たちは、「会社員とはそういうものだよ」「我慢しなくてはならない」と言われます。
しかし、ご高齢者の生活をより良くするために、無駄なストレスをなくそうとするのは、健全な考えだという自信があります。
むしろ、会社員が働きやすくするために、環境を整えるのが上司や経営者の仕事ではないのでしょうか?
自分たちの考えや行動を変えずして、個々の介護職員の価値観に変化を求めるのが、本当に正しい行いだと思っているのでしょうか?
それとも、「経営者とはそういうものだよ」と自虐するのでしょうか?
全ての責任が上司や経営者にあるとは言えませんが、最低限でも、介護職員が利用者とは関係のないストレスが溜まらないような環境を整えてあげる必要があるかと思います。
その環境整備は、まず余計な仕事からなくしていくべきだと思います。
例えば、介護業務の中にある記録ですが、未だに手書きで行う紙文化が残っているところがあります。
「機械を導入しないんですか?」と聞くと、「そんな予算はない」と言われます。
毎日何十枚もの紙を印刷し、少しの書き間違いでシュレッダーを起動させるお金はあるのに、タブレット端末を導入する初期費用はないとのことです。
おそらく、機械を導入するのに足りないのは、お金の余裕ではなく気持ちの余裕だと思います。(もしくは、お金の計算ができない...!?)
「あの書類はどこにいった!?」と効率の悪い行動を減らしていくためにも、機械の導入なんかは必要な投資です。
他にも、人間関係でいえば、ベテランだからという理由だけでお局様を残しては、周りの人材を退職に追いやるのではなく、悪い噂ばかり流れるようなお局様は早々に動かしてしまうのが良いと思います。
別に私は、「給料を上げろ」などというような贅沢を言うつもりはありません。
正直言って、高い収入を得られるほどの仕事をしているとは思わないからです。
しかし、無駄にストレスのかかるような余計な仕事を減らしてほしいものです。
なぜなら、ご高齢者を支えるという、本当に価値のある仕事だけをしたいからです。
人手不足に具体的な対策事項がない。
少子高齢化になっていくことはわかっているはずなのに、何も対策を打たずに施設内の雰囲気や良好な人間関係を築くことばかりに力を入れている企業は多くはないでしょうか?
それは必要な努力なのでしょうか?
大層な理念を立て、職員を心から生まれ変わろうとさせて、何かが改善されるのでしょうか?
たまにある上司以外誰も行きたくないような飲み会を開催して、組織がまとまるのでしょうか?
努力するべきところが間違っていると思います。
もっと根本的な課題の解決をしていかなくてはなりません。
人手不足の対策として、現在最も主流なのが、先ほども言った機械の導入かと思います。
中には機械の導入に嫌悪感を抱く人もいるようですが、ロボットに介護をさせるわけではありません。
実際に人間型ロボットに介助行為を任せられるようになるのはまだ先の話だからです。
ここで言っている機械導入とは、記録業務や情報共有のデジタル化する程度のことです。
機械を導入する=機械に全て任せるというのは、勘違いですから、極端な考え方をしている人はやめにしましょう。
機械でもミスを犯すことはあるでしょうし、その修正など人間が入らなくてはならないところで我々が登場すればいいのです。
この勘違いがまだ残っているのか、それともお金や気持ちに余裕がないのか、未だに記録業務を人間が手書きで(しかも二重以上に)行っている施設があるくらいです。
このような時間と手間をかけて無駄な労働をしている時点で、人手不足で困っているというのは矛盾した悩みだと言えます。
先ほども言いましたが、実際、人手不足となった今、上司や経営者陣が何を言っているかというと、
「このご時世、少子高齢化でどこもひと人手不足なんだ。辛いだろうけどわかってくれ」です。
「わかってるよそんなことは!」と言い返したくもなります。
(うちの施設だけかもしれませんが)
おそらく、このようにして職員側に考え方や働き方の変化を求めている企業は、職員が逃げるように辞めていき、淘汰されてしまいます。
職員もバカではありませんから、人手不足の中働きやすくするために、具体的な対策を立てているような優良施設へと流れていってしまうでしょう。
変化や発展、成長意識がない。
ハッキリと言いますが、介護現場には成長意識のある人間は少ないです。
介護に興味がないのに、「需要があって安定するのではないか」という動機だけで介護施設を経営するものや、
自分の家庭も守らなくてはならない主婦の方や、
他に行くところがないから就職してみただけというモチベーションの人材や、
実際に現場にいる介護職員には、成長意識が皆無であることも少なくはありません。
個人的には、そういった人たちも自分なりの生き方があって良いと思いますし、「もっとこう在るべきだ!」と価値観を押しつけるようなこともしません。
(でもそういう人達より頑張ってる分、給料に差をつけてほしいな...)
しかし、中にはたちの悪い人達もいて、自分たちが変化や発展をしようとする成長意識がないわりに、介護の仕事自体の愚痴を言いふらしてしまいます。
そのせいで、世の中には介護のネガティブなイメージばかりが定着してしまいます。
もちろん、噂話というのは、ネガティブな情報が広がりやすいということもありますが、
悪い噂ばかりを流す人を見ていて思うのが、「そんなに嫌だったら辞めてくれ、役にも立たないし、周りに迷惑をかけるな」です。
愚痴を言いふらす人に対する私の愚痴はここまでにしておいて、話を戻します。
介護現場は変化や発展の意識がないという話ですが、確かに、認知症高齢者の方が変化に弱いからといって、環境や人間関係に変化をなくそうとするのは良いことです。
しかし、それに伴って、受け入れる側の我々介護士自身が柔軟性を失ったら終わりです。
先ほどは、負担を減らすために部分的な機械の導入をしていく必要があるという話をしましたが、
他業種とマッチングして、今までにないサービスを図らって、質の向上を目指しても良いと思います。
一言断言できるとしたら、介護現場に(やる気のない)介護職員だけが従事しているのは問題です。
おわりに。~何を目指していくべきか?
いかがだったでしょうか。
介護現場に対する批判と個人的な愚痴の多い内容になってしまっていたように思いますが、気にしないでおきましょう。
介護現場には、変化や発展、成長意識が低い人材が多く、言ってしまえば家庭介護の延長でしかないこともあります。
介護という分野、職種の質を向上させて、1つの専門職業として自立していかなくてはなりません。
例えば、介護にできなくて医療にできることは多くあります。
そこで、医療にできないことで介護にできることを増やしていく必要がありますし、その可能性は十分に残されていると思います。
しかし、無駄な仕事や余計なストレスにより、その成長や発展につながる努力をする余裕がないのも現状です。
簡単に言えば、「我々は◯◯という次のプロジェクトに全力を注いでいる」と生き生きして働いている人は少ないということです。
どちらかというと、「現場の問題解決に追われる一方です」と言う人の方が多いと思います。
今、介護現場に必要な改革、次なる一歩は、「無駄をなくそう」です。
閲覧ありがとうございました。