介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

頭が固く、我流をつき通す職員の正体と攻略法を一緒に考えませんか?

 

 あなたの職場にも、頭が固く、我流をつき通す職員はおられませんか?

 

イメージとしては、お局様キャラのような人のことなのですが、多くの職場に存在していると思います。

「昔からうちの職場ではこうしてた」「私の長い経験からするとこの方がいいんだって!」

無駄に長く変化のない経験があるせいか、それにとらわれ新しい状況や周りの環境に合わせることができなくなってしまっている人のことです。

 

その上、その職場ではベテランという立場にいるため、妙に発言力があります。 

そういう人に周りの人間が振り回されて、みんな不本意な働き方となってしまうことがしばしばあります。

 

そのため、今回は、リーダーシップとしてではなく迷惑に周りの足を引っ張る職員の正体と攻略法を一緒に考える機会を作りたいと思います。

私自身の現場経験や勉強している心理学の知識を当てはめていきますが、それが正解とは言えませんので、あなたも一緒に考えましょう。

 

あなたは、あなたの職場のお局様を攻略することができるでしょうか?

 

 【目次】

  

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正体

 

 頭が固く、我流をつき通す職員の正体を、ひとことで答えてみましょう。

 

柔軟性がなくなっている

 

ただこれだけのことだと思います。

 

お局様をフォローするわけではありませんが、彼女ら(彼ら)は、別に嫌われたくてやっているわけではありません

他人をいじめて喜びを感じる人格特性の人も中にはいると思いますが、わざわざ自分が嫌われるために行動する人は少ないでしょう。

では、なぜ周囲を敵に回すようなことをするのかというと、周囲に合わせるほどの余裕や柔軟性がなくなってしまっていってるからだと思います。

 

その根拠をお話します。

 

 

人は、過去の自分の行いに支配されている。

 

 あなたは、四六時中、「自分が何をしているのか」を自覚しながら行動しているでしょうか?

「そんなの当たり前に自覚している」でしょうか?

 

実は、「これから◯◯をする」と意志をもって行動している割合は半分ぐらいだと言われています。

あなたは、過去の自分がしてきた行い、つまり習慣によって形成された行動に多くの時間を費やしてるのです。

言葉を悪くして表現すると、何も考えずに行動していることが人生の半分を占めているのです。

 

これは、短期間で“よい習慣"が身につき、人生が思い通りになる! 超習慣術という本から学んだことで、*1

「人間が過ごしている時間の3分の1から2分の1くらいは習慣的な行動で締められている」

「習慣的な行動のうち習慣だと自覚できているのは40%程度に過ぎない」

 という研究結果を紹介されています。

 

この本では、「その半分を占めるという習慣的な行動をコントロールして人生を変えよう!」ということをモチベーションにされていますが、

多くの人はこの事実を知りませんし、あなたの職場にいるお局様も知らないことでしょう。

そのため、自覚がないままにこれまでしてきた自分の行い(習慣)に操られてしまっているのです。

 

 

一度決めた態度を変えるのは難しい。

 

 他にも、人間が過去の自分に支配されてしまっているという事実を説明する根拠があって、『一貫性の原理』という言葉があります。*2

 

人は、自分の態度に一貫性を保ちたいという欲求があるというものです。

 

例えば、海水浴場を舞台に行われた実験なのですが、ある人(仕掛け人A)がビーチマットに寝転がってラジオを聴いています。

しばらくすると、その人は立ち上がって歩き、ビーチマットから離れていきました。

その時、またある人(仕掛け人B)がビーチマットにあったラジオを盗んで持ち去ろうとするのです。

それを見ていた人(実験対象者)がどう反応するのかを見る実験なのですが、もちろん、わざわざ厄介事に関わりたいという人はいないため、見て見ぬフリです。

同じ事を20回繰り返しても、止めようとしたのは4人だけだったそうです。

 

しかし、少しだけ方法を変えて実験してみると、結果が大きく変わったそうです。

ビーチマットから離れる時、実験対象者の人に「荷物を見ていて頂けませんか?」とお願いしたのです。

このお願いに「嫌です」と応えられる人はそう多くはいません。全員が同意しました。

それ以外は同じ方法で実験が行われたのに、今度は20人中19人が警備役として、犯人を止めようとしました。

 

なぜ、ここまで結果が違ってくるのでしょう?

「厄介事に関わりたくない」という気持ちでいるなら、警備役なんて大変な役目を果たすことはないはずです。

 

なぜ、これほどの人が大きく行動してしまったのかというと、その出来事に関与(コミットメント)してしまったからです。

ひとことの頼み事に同意することで、その人はその出来事の当事者として意識付けられてしまいました。

当事者として作ってしまったその態度を変えることができず、「自分が犯人を止めないと、悪いことをした気になる」という心理にまでなるのではないでしょうか?

 

あまり良い考えとは言えませんが、見ず知らずの人の荷物の見守り番をする義務なんてありません。

しかし、人間は『一貫性の原理』に従ってしまい、柔軟性を欠いてしまう側面があるのです。

 

介護士も、認知症の方に対して「どうせ忘れるのだから」という考えがあるなら、その人にとって適切なケアが何かを探るために、毎回ケアの仕方やその態度を変えてもいいはずです。

しかし、「自分はこうした方が良いと思うから」と、自分の正義や信念といった態度を変えることができなくなっている節があります。

 

 

自分の間違いを認められない。

 

  そして、これは個人的な見解なのですが、柔軟性がなくなっていってしまう人は自分の間違いを認められないことが原因の一つだと思います。

 

周囲の(特に自分より若い)人間によって、自分の態度を柔軟に変えるということは、自分の間違いを認めて方向修正するということです。

 

そんなことができる心の余裕も自尊心のレベルも持ち合わせていないでしょう。

だから、今回話しているような対象の職員は厄介なのです。

しかも、介護職員となれば、「自分の間違い=利用者に不適切ケアをしていた」という事実につながってしまうため、なかなか受け入れるのは難しいです。

(この気持ちはわかる)

 

 

 というわけで、お局様の正体とは、柔軟性がなくなってしまった人だという見解をご理解頂けたでしょうか?

多くの人は、お局様のことを、他人を攻撃するのが好きな人という印象を持ってしまいがちですが、(中には本当にそういう人がいるかもしれませんが)

実際は、今まで生きてきた自分の(人から嫌われるような)行いのせいで、態度を変えるのが難しくなってしまっている人という認識を持ってみてはいかがでしょうか?

 

別にあの人たちも嫌われるために生きておられるのではありません。

受け継がれた遺伝子や育った環境が悪かったせいか、人から嫌われる性格になってしまわれたかわいそうな人なのです。

だからといって、受容して好きになることはできないと思うので、ここからは攻略法考えたいと思います。

 

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攻略法

 

  それでは、かわいそうなお局様の攻略法を一緒に考えていきましょう。

 

介護現場において、職員間の人間関係はとても重要です。

ただでさえ、利用者の方に気を配って繊細なコミュ力が求められる認知症ケアをする必要があるのに、職員間の人間関係が悪いと、余計なストレスが溜まる一方で本来の仕事ができません。

 

そして、職員間の人間関係を引っかき回す原因のお局様をコントロールすることができたら、どんな職場にいっても生きていけることができます。

そのためのスキルアップができると思うと、お局様に感謝(?)できるくらいです。

 

ちなみに、これからお話する攻略法は、私が認知症ケアをする上でも意識していることです。

つまり、(とても不適切ですがわかりやすい表現として)コミュニケーションが厄介な人と関わらなくてはならない時に、その人の行動を変えることができる最大限の努力をご紹介します。

本当は、自分にとってマイナスになるような人とは関わらないことが一番ですが、それでも関わらなくてはいけない時の効果的な行動です。 

 

 

行動のスイッチを見つけ、カバーする。

 

 先ほど引用させて頂いた、短期間で“よい習慣"が身につき、人生が思い通りになる! 超習慣術という本の中には、(その他の「習慣」に関する多くの文献でも、)

『if then planning』というテクニックが強力だと言われています。

 

『if then planning』とは、「もし、~~となったら、◯◯をする」という計画のことです。

 

この計画はとても強力で、目標達成が困難な行動の達成率を大きく上げてくれるそうです。

なぜなら、毎回「私は◯◯という目標達成するために何をするべきか」と考えだしていたら、その間にやる気を失ってしまうからです。

例えば、「腹筋を割るために、仕事から帰ったら、スクワットを20回はやる」と決めておけば、後は少しの意志力で行動できます。

 

しかし、「いつ」「どこで」「何を」が決められていないと、毎回考えるのに疲れるかやること自体忘れてしまって挫折してしまいます。

 

計画を実行に移させるためには、前提条件(if)とその後の行動(then)をセットで作っておくと、体が勝手に動くという仕組みなわけですが、

逆に言えば、その状況(if)になったら、ある特定の行動(then)が脳で勝手に再生されてしまうのです。

 

ということは、目標達成につながる良い習慣以外に、悪い習慣が人間の脳に組み込まれていてもおかしくないわけです。 

人間が頭を使い意志を持って行動している割合は、人生の半分ほどと言いましたが、悪いことをしようと思っていなくても、自動的に行動してしまっているのです。

 

そこで、ある特定の行動(then)を直したかったら、そこに至る状況(if)を変えましょう。

 

お局様の厄介な行動(then)にも、そこに至るまでの特定の状況(if)があるかもしれません。

 

「◯◯さんの介助になると、イライラし出してその後が大変になる」

「他職員が掃除をしていると、姑のようにチェックして文句をつける」

 

さすがに、「遅出勤務の時は、不機嫌になる」という条件が見つかったとしても、勤務変更をすることはできませんが、上記2つのような事例ならカバーできると思います。

 

特に、「◯◯さんの介助になると、イライラし出してその後が大変になる」という事例は多いのではないでしょうか?

お局様ほど、他人をコントロールしたがる人はいませんから、言うことを聞かない利用者の方であったりすると、虐待として訴えたくなるほどに怒ったります。

 

そういう時は、もちろん、上司なんかが注意するのが一番ですが、いかんせんお局様は隠れたり言い逃れするのが得意ですし、クビにすることもできないようです。

そこで、同僚として働く我々にできるのは、行動(then)のスイッチ(if)のカバーくらいです。

 

「◯◯さんの介助が必要になったら、自分が行く」ことで、その場の良い雰囲気を保ちましょう。

 

そして、「他職員が掃除をしていると、姑のようにチェックして文句をつける」ということに関しては、次の攻略法が適しています。 

 

 

自尊心を満たしてあげる。

 

 お局様のような人は、さぞかし自分のことが好きで、他人を見下し、自信に満ち溢れた生き方をされているように見えますが、実際はそんなことないと思います。

 

こういう人ほど、自尊心という名の自信が低いと言えます。

 

なぜなら、自分に対する尊厳や信頼というレベルが低いからこそ、他人を攻撃していると言えるからです。

本当に自尊心や自信のレベルが高い人は、自分のことを受け入れることができているため、他人のことが気にならなくなります。

しかし、そのレベルが低い人は、他人を蹴落として見下して自分を高い位置に保とうとするのです。

(ここまで言っていると、本当にかわいそうな人に見えてきますね)

 

そこで!今度は、その人の自尊心を満たしてあげる取り組みに出ましょう。

 

先ほど言った、「他職員が掃除をしていると、姑のようにチェックして文句をつける」なんかの厄介な行動特性を持っているのであれば、教えを乞うたらいいのです。

 

これは、年齢の若い私が最も得意と自負しているテクニックです。

変に下手に出る必要はありませんが、アドバイスを求める姿勢を示しましょう。

 

「そんなではダメよ!綺麗になってないじゃない!」と言われたら、

「あ!ほんとだ!ありがとうございます、気づいて下さって。どうすれば綺麗になりますかね?」と応えてみましょう。(できるだけ、「すみません」と謝らない方が吉)

 

すると、「こういう時はね、こうするといいんだよ。勉強になった?」と腹が立つアドバイスをしてくることが大半でしょう。

そしたら、「全然知らなかったです!勉強になりました!」と言えば、相手はニコニコ。

 

そこで追い打ちをかけましょう。

「やっぱり◯◯さんは頼りになるなぁ。これからこの仕事は◯◯さんにやってもらおう」と、少し冗談交じりに言っても大丈夫です。

先ほどの「◯◯さん(利用者)の介助が必要になったら、自分が行く」のところで、業務負担を一部請け負ってやってるので、お局様が得意なことはやらせてしまって大丈夫です。

 

ちなみに、人から助言を求めることを心理学用語で『アドバイスシーキング』と言い、自分に権力がない場合にでも相手に大きな影響力を与える効果的な手法です。*3

 

ちゃんと素直な助言の求め方ができていれば、自尊心が低いが故に「自分で考えろ」より「仕方ない教えてあげる」となることが多いでしょう。

そうやって、お局様の自尊心を満たしてあげて、攻略していきましょう。

 

 

信頼関係を築き、手のひらで転がしてやる。

 

 最後の攻略法は、「手のひらで転がす」というと悪いことをしているように見えますが、実際は現場の雰囲気を良く保つためにこちら側が努力してやってることです。

感謝こそしてほしいくらいでしょう。

 

普段、あなたは、お局様の逆鱗に触れないよう気を遣って仕事していることでしょうが、これからは距離をとらずに接近してみましょう。

怖がる必要はありません、今回お話したように、お局様は柔軟性と自尊心の低いただのかわいそうな人なのです。

 

では、どうやって信頼関係を築くのか考えましょう。

 

まずは、お局様の理解者となることが重要です。

 

お局様も、心のどこかでわかっておられるのです、自分がみんなとズレていることに。

たまに「私はおばちゃんだから~」と冗談を言うのは、「歳のせいで、仕方がないの」という言い訳に聞こえます。 

しかし、これまでに形成された悪い習慣というものは、なかなか直すことができません。

それを理解してあげられる立場をとりましょう。

 

 「私はおばちゃんだから若い子にはついていけないわ」と言われたら、「でも、◯◯さんがいてくれるおかげで仕事が順調にいってるところもあります」とフォローしてあげましょう。

 

こんなことを言うと、調子に乗るんじゃないかと思うかもしれませんが、安心して下さい、そうでなくとも調子に乗っておられます。

だったら、理解者となって信頼関係を築き、こちら側の思い通りに操ってやりましょう。

ということで、フォローした後は、その人の強化したい行動を褒めてやるのも吉です。

 

「この前も、◯◯さんが~~の掃除ができていないことに気づいてくれたおかげで、清潔を保てているじゃないですか。ただの掃除とはいえ、助かってます」

 

また、強化できるような行動なんてないよ。という方の場合は、行動ではなくその源にある信念を褒めてあげるといいです。

 

「確かに、周りは若い子ばかりで仕事の仕方が違うかもしれませんが、◯◯さんだって現場を良くしようとされているじゃないですか」

行動は違えど、信念や価値観は類似していることを伝えましょう。

 

これが良きタイミングで良き伝え方ができていれば、相手は大喜びするはずです。

なぜなら、人は、自分の価値観を理解してくれる人、または類似している人に強く好意を持つからです。

 

 

 その人の考えに、先に共感を示してあげると、『返報性の原理(何かしてもらったら、何かお返ししなくてはならない心理)』が働いて、相手も自分の考えに共感の態度を示すようになります。

そうなれば、少なくとも、お局様はあなたをむやみに攻撃することがなくなり、話を少しは聴いてくれるようになると思います。

 

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自分のメンタルを保つ

 

  最後に、おまけですが、最も重要とさえ言える自分のメンタルを保つ方法をご紹介します。

 

変な話、お局様をコントロールできなかったとしても、自分の感情やメンタルさえコントロールできていれば、被害は少ないわけです。

ひと昔前には、「アホとは付き合うな!」というようなタイトルの本が売れていましたが、実際はアホと付き合わなくてはならない状況にいるから辛いわけです。

 

ということは、アホとの付き合い方より、自分のメンタルとの付き合い方を見直した方が、効果的だと思います。

 

どんなアホが目の前にいても、自分のメンタルを正常に保つ方法を知っていれば、強いのではないでしょうか?

 

 

感情を切り離す。

 

 「感情を切り離す」というと、自分の感情をなくすようなイメージを持ってしまいがちですが、そうではありません。

 

自分の行動から感情を切り離すだけです。

 

お局様に腹が立つのは仕方ありません。

ただ求人票を見て面接を受けて就職した会社組織という集団の中に、嫌いな人や苦手な人がいるのは、当たり前とすらいえます。

 

そんな人を好きになろうとする必要はありませんが、なんとか付き合っていかなくてはならないわけです。 

そこで、自分がその人と付き合う上での行いから、感情を切り離してしまいましょう。

 

だいたい、ストレスが溜まる人というのは、「こうしなくてはいけないんだ!」「こんなこと考えてたらいけない!」と、自分の感情を否定してコントロールしようとします

 

それは、正しい自己コントロールとは言えません。

 

正しくコントロールするには、対象を感情から行動に意識を切り替えるべきです。

「自分はこの人に腹が立っている」と思ったとしても、否定しなくていいです。

「でも、こうした方が得だから」と行動をコントロールするアプローチをとりましょう。  

 

これが、正しい自己コントロールの方法です。

 

 

嫌いにならない。

 

 お局様を「嫌いな人」という位置付けにするのはやめにしましょう。

 

かといって、この記事を読んでいたらわかるように、好きになる必要もありません。

好きか嫌いかではなく、その人に興味関心があるのだと自分に言い聞かせるのです。

 

つまり、お局様はただの攻略対象者です。

 

その人との付き合い方を学ぶことで、今後の人生の人間関係がバラ色になると言っても過言ではありません。

 

私も、過去にお局様に苦しめられた時期がありましたが、正直感謝しています。

今でも、その人に恨みの感情を思い起こしてしまうことはありますが、あの人がいなかったら、自分は今ほど人間関係の充実を意識する人間にはなっていなかったと思います。

 

あなたは、目の前にいるお局様によって不幸にされる人生を歩むか、攻略してレベルアップして苦難を乗り越えることができた人生を歩むか、どちらかを選ぶ必要があります。

 

どうせ付き合うなら、答えは決まっているようなものですけどね。 

 

 

LOCを意識する。

 

  お局様やその他の人間関係で、私が苦しんでいる時に一番助けられたと思える概念が「LOC」という言葉です。

 

「LOC」とは、Locus Of Control(統制の所在)」という心理学用語の略語です。*4

 

統制の所在」というとピンとこないかもしれないので、「制御の範囲」と言い換えた方がわかりやすいかもしれません。

「自分が制御(コントロール)できる範囲をどこに置くか?」という考え方です。

 

人はその範囲を、自分の力ではどうしようもない範囲に置くから辛いのです。

お局様の人間性を変えたり、職場で好きな人達に囲まれたりすることを望むのは、自分がコントロールできる範囲の外にあるはずです。

しかし、そんなことばっかに目を向けているから、みんなどうにもならない悩みに苦しめられるのです。

 

どうにもならない辛さはわかりますが、どうにもならないことはどうにもならないのです。

 

それでは、どうにかできることに意識を向けましょう。

 

それが、ここまででお話してきた自己コントロールのことです。

お局様をかわいそうな人と同情でもしてストレスから解放され、自分にできる範囲でその人を攻略してみて、その際の行動から感情を切り離し、自分自身をコントロールしているのは自分なんだという意識を持つことです。

 

つまり、今回お伝えしたかった一番大事なことは、他人に振り回されるくらいだったら、コントロールする側に回りましょう。ということです。

 

もちろん、他人を支配しようとしてはいけませんが、自分自身の人生を他人によって左右されるのではなく、自分でコントロールしましょう。

 

誰かにいじめられている時の辛い気持ちはわかりますが、あなたは被害者ではありません、あなたの人生の主人公であるべきです。

 

そんな生き方をしていきましょう。

 

閲覧ありがとうございました。 

 

【参考文献】