介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

あなたの認知症ケアのレベルを確実に上げる方法。~たった一つの心がけること。

【目次】

 

 

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 あなたの認知症ケアのレベルを確実に上げる方法。

 

  あなたは、介護士として、認知症ケアをするための指標を持っていますか?

 

どういったことを心掛けてケアに当たっているでしょうか?

 

「優しくしてあげる」「思いを聴いてあげる」「選択肢を与える」

 

どれも間違ったことではないですが、介護士認知症の方にしてあげたいという思いやりからくるものと言えます。

そこで今回は、認知症の方が本当に求めていることを見出し、それぞれに合った具体的なケアの方策をお伝えします。

 

介護基礎学~(著)竹内孝仁』という本から学んだ認知症ケアの方法論なのですが、ここには認知症を3つの分類に分け、それぞれに合った対応方法を解説されています。*1

それを紹介しながらお話を進めていくわけですが、最終的には、認知症ケアをレベルアップさせるために心がけるべきことはたった一つのことという結論に至ります。

 

「福祉は心」などという、曖昧で、職員によって捉え方や体現の仕方が異なってしまうようなものとは違って、

具体的で、かつ洗練された、わかりやすく誰でも体現可能なたった一つのことを提案します。

 

まずは、認知症症状をタイプ別に分けるところから始めましょう。 

 

 

まずは、認知症症状をタイプ別に分けよう。

 

 『介護基礎学』の著者の竹内孝仁さんは、認知症を3つのタイプに分類されています。

 

それは、『葛藤型』『遊離型』『回帰型』の3つです。

 

察しの良い人は、文字から意味を読み取ることができると思いますが、それぞれの症状を説明したいと思います。

普段関わっている利用者さんを想像して当てはめていくと、わかりやすいかもしれません。

 

『葛藤型』

 

 『葛藤型』とは、”現実との葛藤”を行う人のことです。

 

よくある例では、職員に年寄り扱いされていると感じて、声かけに反発したり職員に暴言暴力を振るったりするところです。

もっとわかりやすくするなら、「物盗られ妄想」「帰宅願望」なんかがそうだと思います。

どちらも、心のどこかでは自分がおかしい、本当は職員が正しくて自分が間違っているとわかっているのに、現実を受け止めるのが辛く、外から見たらまるで子供のように駄々をこねるところがこれにあたります。

 

『遊離型』

 

 『遊離型』とは、”心ここにあらず”で自発性のない人のことです。

 

これは、レビー小体型認知症の方のように幻覚が見えて現実世界を正しく認知できていない、というのとは違い、その人の行動意欲や活気レベルでみた分類型です。

『葛藤型』の人とは相反して、『遊離型』の人は、現実世界で何が起ころうとも反応されることがないような人のことです。

もちろん、強い痛みを感じるなどすると叫ばれることはあると思いますが、基本的には意欲がなく、心ここにあらずで自分の世界に入ってしまわれています。

食事を目の前に出されて、その上職員が声かけしても、食べようとする意欲が見られない人はこれに当たるでしょう。

 

『回帰型』 

 

 『回帰型』は、自分が生きてきた過去の中で”最もよき時代”に戻る人のことです。

 

現実では施設に入所しているのに、「さぁ、仕事に行く時間だ」と言って出かける支度をしたり、職員を部下か上司と間違えたりもする男性の方がこれに当たります。

女性の方の場合は、「そろそろ夕飯の準備を始めなきゃね」と家に帰ろうとしたり、「今生理中だからお風呂には行けないの」と入浴を拒まれることもあります。

職員からしたら、帰宅願望の口実や介助を拒否するための言い訳にも聞こえるかもしれませんが、本人からしたら本気で言っておられることがあるのです。

  

 

それぞれの対策法。

 

 認知症の症状を3つのタイプに分けたところで、対策方法をご紹介しますが、その前に、それぞれに共通点があることをお伝えしておきます。

 

『葛藤型』『遊離型』『回帰型』と3つの分類に分けましたが、これらは、認知症という病気そのものの違いではなく、その症状により出現する行動の意欲やその選択の違いを表しています。

つまり、記憶力の低下や認知機能の衰えに差はあれど、「認知症」になっているという点ではみんな同じで、その後の捉え方や生き方が異なるだけなのです。

 

竹内孝仁さんは、「認知症」を「障害物」に例え、その障害物に対する反応はどの分類型もおかしなものではないとおっしゃっています。

 

 この3つの類型は,いずれもきわめて人間的な反応として,統合失調症などに見られる異質さはあまり感じられない.

 たとえていえば,痴呆の症状とは,坂道を登る自動車が途中で障害物にぶつかったようなものだ.

 ある人は,何とか障害物を突破しようとしてアクセルを踏み衝突を繰り返す.(葛藤型)

 ある人は,障害物を見てあきらめて停車したまま動かない.(遊離型)

 ある人は,その場から引き返してドライブの途中で見かけたお花畑で楽しいときを過ごそうとする.(回帰型)

介護基礎学

※( )は、筆者による追加編集。

 

それぞれにある違いとは、老後になって認知症になった時、どう対処するのかという性格的な部分です。

それは、その人の人間性やこれまでの生き方を表すものかもしれません。

問題にぶつかった時、『葛藤型』の人は争ってきて、『遊離型』の人は回避してきて、『回帰型』の人は情熱的であったのかもしれません。

そういう意味で、「「遊離型」と「葛藤型」は,帰るべき過去をもたない,ある意味では”不幸な”痴呆なのかもしれない.」と竹内孝仁さんも言っておられます。

 

 

そして、それぞれにある共通点とは、「現実から自己を守ろうとしている」ことです。


「現実との葛藤」を行う人も、「心ここにあらず」になる人も、「最もよき時代に戻る」人も、現実世界で起こった『認知症』という問題から自己を守ろうとして出現したアプローチの違いに過ぎません。

 

人によって違いはあれど、「現実から自己を守ろうとしている」ことには変わりありません。

ということは、介護士に求められる支援というのは、その人が現実世界に戻ってこられる安心感を作ってあげることではないでしょうか?

 

つまり、その人が、できるだけ自立した生活、行いが問題にならないようにするためには、現実世界を正しく認識して受け入れることができる工夫が必要です。

 

その工夫とは何でしょうか?3つのタイプ別に、具体的なケアの方策をご紹介します。

 

『葛藤型』へのケア。 

 

ひとことで言えば、「その人の怒りのきっかけをなくす」に尽きるかと思います。

 

『葛藤型』の人は、その他2つのタイプに比べて、現実世界に留まることができているということができると思います。

現実をしっかりと(?)認識した上で、「こんなはずじゃない!」と葛藤されているからです。

 

であれば、その人に「何が正しいか」と現実世界の状況などを伝えるのはナンセンスでしょう。

なぜなら、その「何が正しいか」を説明しようとする職員の声かけによって、怒りが増幅され爆発する様を、介護現場ではよく見かけるからです。

 

「家に帰ることができない」「誰かの世話を受ける必要がある」という現実を、その人は十分に理解しているはずです。(十分じゃなくともいくらかは)

その上で、そんな自己を受け入れることができずに「帰りたい!」「こんなところにいたくない!」と強く訴えるのです。

おそらく、私が思うに、「帰りたい!」というのは、「家に」ではなく「元気だった頃に」という心理が隠れているように感じます。

「こんなところにいたくない!」も、「施設が嫌」なのではなく「施設を利用することになった自分が嫌」という思いの方が強いのではないでしょうか?

 

 

しかし、多くの介護職員といえば、家に帰れない理由や施設に泊まるべき根拠を必死で伝えようとします。

その利用者の方は、そんなことはわかっているのかもしれません。

だから、反発して、職員に耳を貸さなくなることも多々あるのです。

 

これを心理学的にいえば、心理的リアクタンスという言葉で説明することもできます。

人には、「他人に強要されたことに反発する」性質があるものです。

うさんくさいセールスの電話など、ちゃんと中身を聴かずして懐疑心を持ったことはないでしょうか?

その利用者の方も、職員の声かけが気に食わないとか、内容に理解ができないから反発しているのではなく、ただ自分に行動を強制してくる存在から身を守ろうとしているだけということがあります。 

 

そのため、よく感情的になって帰宅願望を訴えるような人や怒りが爆発しやすい人には、説得して理解させようとするのはナンセンスです。

 

対策としてあげた「その人の怒りのきっかけをなくす」というのは、そもそも感情的にならないよう、安心できている時間を長く作ってあげるということです。 

 

この本の中でも、「・すべて行動には必ず動機がある」とされているように、必ず何らかのきっかけがあるはずです。

それは、気温とか気分とかテレビのニュースの内容かもしれません。

もしかしたら、防げないことが種となって怒りが爆発するかもしれませんが、とにかくその人を快適な空間で過ごしてもらうよう工夫することです。

なぜなら、それは信頼関係につながるからだと思います。

「ここにいれば大丈夫なんだ」「この人は信頼できる人だ」と思ってもらえるよう、行動の動機を探り、対策していきましょう。

そもそも、今までできていたことができなくなって、その現実を受け入れることができずに葛藤するというのは、人としておかしな反応とは言えません。

そんな当然の反応を否定したり抑圧したりして、その人の感情スイッチをオンにすることに注意しましょう。

 

というより、職員の声かけがスイッチとなって怒りが爆発することがほとんどです。

しかし、利用者は職員しか頼る相手がおらず、職員は利用者を野放しにはできない、そんなジレンマの中でストレスの渦が循環することはしばしば。

お互いに葛藤(ジレンマ)の渦に陥らないよう、感情的になる前のきっかけをなくし、理性的に対処できるよう準備しておきましょう。

 

『遊離型』のケア。

 

 これもひとことで、「現実世界に戻るきっかけを作る」と表しておきましょう。

 

その方法はいくつかあるとは思いますが、ここでは「役割を与える」「趣味活動(作業療法)で刺激を与える」「コミュニケーションをとる」を挙げてみましょう。

 

「役割を与える」とは、介護現場ではおなじみの、「食器洗い」や「洗濯物」などをお願いして、できる範囲のことを手伝ってもらいます。

職員や他利用者がその行為に感謝することで、その人はやりがいを感じ、そのホームでの役割として定着することもあります。

そうすれば、”心ここにあらず”にならず、現実世界に留まる時間が長くなることでしょう。

 

「趣味活動(作業療法)で刺激を与える」もおなじみ、体操や音楽、その人が昔からしてきたような生け花や習字などを行うことです。

その人は現実世界で活き活きとする時間が増えることでしょう。

それがたまたま職員の趣向とマッチしていれば、職員も退屈せず関わることができて一石二鳥です。

 

「コミュニケーションをとる」のは、作業療法が思いつかない時などに手軽にできると思います。

『遊離型』の人は、放っておいたら意識がどこかへ飛んでいってしまいます。

現実世界で、手をつないで話かけてくれる人がいれば、少しは現実世界にいようと思ってくれるかもしれません。

 

 

 ただ、1つ注意点があって、他の類型にも言えることですが、これらのアプローチは、「現実世界が良いもの」という前提条件に立っていることになります。

 

つまり、現実世界で安心さえようとするには、それほどの魅力を準備して提示する必要があり、その人にとって安心できる環境を整えずして無理やり引き戻すのはナンセンスです。

介護の専門性とは何か』の著者の三好春樹さんも、「私たちは、閉じこもりの老人をただ引っぱり出そうとしているのではなく、出てきたいと思えるような関係的世界をつくろうよ、と言ってきたはずです。」ということをおっしゃっています。*2

 

子供の引きこもりや不登校についても、その子は外の世界に自分は馴染めないと思うから出てこないわけです。

それなのに、大人たちといえば、自分たちが正しいということを信じて疑わず、自分たち許容力のある側より、未熟な側の子供に態度を改めることを強要するのです。

個人のニーズを考えずして、決して誰かのためになっているわけでもない社会規範や常識に従うことを、個人的にはくそくらえと思っています。

  

『回帰型』へのケア。

 

 これはひとことどころか、「同行」の2文字です。

 

その人にとって”最もよき時代”に戻る『回帰型』の方には、職員も同行してあげましょう。

 

戦時中の人に、「今はもう戦争は終わってますよ!」と言うのではなく、一緒に戦争へと出発する演技でもしてみましょう。

まだバリバリ仕事で働いている人に、「あなたはもうご老人です」だなんて言わず、お疲れ様の一言でねぎらいましょう。

 

「同行」することにどんな意味があるのかというと、その人の『孤独の解消』につながるからです。

 

「過去への「同行」」という項で、竹内孝仁さんはこうおっしゃっています。

 私が痴呆は”孤独の病”と考えるようになった契機がここにある.

 「回帰型」は,つらい現実から身を離し,古きよき時代への回帰である.

 これへのケアとして,その旅に同行し,同じ世界の住人として振る舞うこと,痴呆の本人にとっては”同行者を発見する”ことが,その瞬間にこの現実世界で自分はもはや一人ではないことの発見をもたらす.

 ~中略~

 孤独が,ある人には葛藤症状をもたらし,また遊離症状,回帰症状へと発展させていく.

 したがって,孤独の解消こそがケアの基本であり,「回帰型」にあっては上に述べたように「過去への同行」が必要となってくる.

介護基礎学

 

 

たった一つの心がけることとは?

 

 より良い認知症ケアをするために、心がけるべきたった一つのこと。とは、

 

『回帰型』へのケア。の項で話した、『孤独の解消』のことです。

 

『遊離型』へのケア。の項で話した、『関係的世界を作る』でもいいです。

 

『葛藤型』へのケア。の項で話した、『信頼関係を築く』も当てはまっているでしょう。

 

要するに、いかに「その人の味方でいられるか」が重要です。

 

表現の仕方は自由様々ありますが、関わろうとすることをやめないことが重要です。

せっかく長々とお話に付き合って頂いているのに、フレーズが記憶に残らなければ意味がないでしょう。

 

ここでは、『関わり続けること』を、認知症ケアで最も重要なこととして、たった一つの心がけるべきこと。にしたいと思います。 

 

 

「利用者にとって職員は環境」ということはみなさん周知のことでしょう。

現実世界から自己を守ろうとしているその人に対して、現実世界は良いものと押しつけるのではなく、その人にとって良い現実世界とは何か、を模索しましょう。

認知症高齢者となって、現実に起こる問題をどう対処するかは人それぞれ違って、性格やニーズも十人十色あるわけです。

 

そこで、認知症ケアをする上で、わかりやすくするために3つのタイプ分けをしましたが、ここでまた一つ、注意点があります。

人はよく、人間の性格をわかりやすくするためにタイプ毎に分類しますが、それは尺度であってカテゴリーではないということです。

 

つまり、内気な人は100%内気かといったらそうではなく、ある場所やある分野では積極的かつ饒舌にも行動したりお話したりすることもあるといことです。

現実と葛藤して争いを好む性格の人も、相手によっては大人しくなったり、状況によっては話を聴き入れやすくなることもあるでしょう。

 

ちなみに、心理学的に言うと、そんな人間の複雑性を理解できる人ほど頭が良いということがわかっています。

これは、心理学用語で『認知的複雑性』という言葉のことで、「複雑な物事を複雑なままに認知することができる能力」を意味します。

この能力が高い人は、「Aさんにはこういうところがあって、こういうところもある」と様々な視点から物事を理解することができます。

逆に低い人は、「Aさんは~~という理由で最低の人!」と決めつけて疑いません。

人間の性格や感情を説明するのに、「最も」という言葉を使う人には注意した方がいいでしょう。

「どのようにして」良いのか悪いのか、を理解し説明できる人でありたいものです。

そして、この説明を聞いた時、「自分は決めつけたりしないから大丈夫」と決めつけて判断するのも危ういでしょう。

「自分はどの程度、そのことについて理解しているだろうか?」と考え続けて、思考を深める必要があります。

 

この能力はどんな場面でも活かされるはずですが、今回は認知症ケアについてです。

あなたは、目の前の利用者さんについてどの程度理解を深めているでしょうか?

また、そういった思考を深める習慣はあるでしょうか?

 

認知症だから何を言っても無駄」という一言で終わってないでしょうか?

 

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質の高い認知症ケアをするためのマインドセット

 

 質の高い認知症ケアができるようになるためのマインドセットを身につけましょう。

 

マインドセットとは、『心のあり方』という意味合いで、その人の信念や考え方のことです。

 

マインドセットの良いところは、一度身につくと長期にわたって効果が出るところです。

例えば、あなたは、自分のことを「内気な人間だ」と思い込んでいたとしましょう。

しかし、介護現場で働き、コミュニケーションをとるのが難しい人たちと毎日のように関わることで、自分の思いを言葉で伝えて相手の気持ちを表情から読み取る訓練をすることになりました。

すると、「自分は人間関係が得意なんじゃないか」という思い込みに変わり、その他の飲み会なんかの場に出ても、臆することなく人と会話できるようになります。

元々は「自分は内気なタイプの人間」と思い込んで、外に出ることに臆病になっていた人間が、

「自分は人間関係が得意」という思いを持つことで、社交の場に出ることを恐れなくなりました。

 

ちなみに、この事例は私の個人的な体験談ですが、ここで大事なのは、社交の場に出ることに臆病ではなくなったという点です。

つまり、思い込めば全てが叶うなんてことは幻想で、思い込んだことで行動力が上がり、それで効果が発揮されるのがマインドセットです。

実際、介護を始める直前と直後ではコミュニケーションスキルにそこまでの違いはなかったはずです。

しかし、昔の自分と今の自分を比べると、明らかに人間性に違いが見られると自負しています。

「自分はやればできる!」という思いを持つことで実際に行動することになり、そこから何らかの学びを得ては徐々にスキルが向上してきたのでしょう。(元が低すぎるために現在のコミュ力が高いとは言えませんが) 

 

 

なぜ、ここまで長々と『マインドセット』について説明したのかというと、認知症ケアのレベルを確実に上げるために心がけるべきことはたった一つのことだからです。

 

今回のお話に出てくるどんな表現を用いてもいいですが、とにかくその人と『関わり続ける』ことが重要です。

これは、よく言われる「利用者様の隣に寄り添い座りましょう」「困った人には手を差し伸べましょう」といった画一的で根拠のない教えとは違います。

 

職員も人間ですから、自分の感情を考慮して、距離を置くアプローチをしてもいいでしょう。

しかし、遠くからでも観察しておいて下さい。

「Aさんに腹が立ったけど、あの人は何であんなひどいことをしたんだろう?」

「次、同じことをされないために、環境を整えることはできないだろうか?」

 

自分の感情に嘘をつき無理して思いやりの心を向ける必要なんてありません。

ただ、観察対象として興味を持ち続けるだけでも構いません。

より良い関係的世界を築くために、あなたの認知症ケアのレベルを確実に上げる方法は、その人と取り巻く環境について理解を深めることです。

 

どうか、認知症だから何を言っても無駄」なんて決めつけて疑わないような、頭の悪さを見せつけるようなことはやめておきましょう。

 

閲覧ありがとうございました。

 

【参考文献】