「困った!」あなたならこんな時どうする?-介護現場の「どうにもならない問題」をなくす考え方
こんにちは。介護福祉士のTAKUMIと申します。
介護職のみなさん、介護現場には「どうにもならない問題」というものが存在しませんか?
例えば、帰宅願望のある方を対応していて、「家に帰すこともできない」「気分転換になるようなことをしてあげる余裕もない」
もちろん職員間でも、「部下の解決できない悩み」「同僚のどうしようもない不満」
これら「どうにもならない問題」をなくすための考え方を考察していきたいと思います。
そして、介護職員の中でも、問題解決能力が高いように見えて実はそうでもない人の特徴があります。その話もさせて頂きます。
お付き合い下さいませ。
【目次】
「困った!」あなたならどうする??
先ほど例に挙げた帰宅願望を訴えられる方や、部下や同僚のどうにもならない悩みや不満をぶつけられた時、あなたならどのようにしてアプローチしますか?
様々な対応の仕方があると思います。
先に結論を言ってしまうと、傾聴するだけで落ち着いてくれたりします。
つまり、話を聴いてほしいだけだったりするのです。
「どうすればいいのか」と答えを求めなくてもいいし、なんなら考えなくてもいいです。
一緒に悩む姿勢だけ見せましょう。
「あなたの悩みや不満はどうすれば解決されると思う?」「その希望や願望を叶えるために私に何かできることはある?」というスタンスです。
その人の問題を抱え込むのではなく、一緒になって悩んであげましょう。
いつまで経っても問題を抱える人の特徴
ズバリ言いますと、「解決すべきは自分」と考える人です。
「利用者様の問題行動を解決してあげるのは介護者である私」
「部下の悩みや不満を解決できるのは上司である私」
他者の苦しみに手を伸ばそうとする心掛けは素晴らしいものですが、それでストレスを感じていては元も子もありません。
守られる側の人のために、守る側の人がイライラしてしまうなんて本末転倒でしょう。
介護職員や主婦の方の中でもひどいケースだと、「あーもう!世話の焼ける人(子)だ!」と言う人もいます。
そんな人に助けてもらいたいと思いますか?
ちょっと「家に帰りたい」と言ってみただけなのに、「なんで何回も同じことを言わせるの!」と怒られてしまっては、その人に頼るのをやめて玄関から自力で出ようとして当たり前ですよね。
イライラしている人よりは、心に余裕がある人に助けてもらいたいと思うのが通常の感覚だといえると思います。
そして、ハッキリ言ってしまえば、その人の悩みはその人が勝手に悩んでいるだけというケースが大半です。
他の人から見たら大したことない悩みでも、本人からしたら「人生最悪」(わざわざ”人生”とまで拡大する)「私が一番不幸」(他人と比べられたのか?)と言って大きな悩みであると認識していることが多いです。
実際大したことではないですし、大変な問題を抱えていたとしても、周囲の人間が巻き込まれる必要はありません。
もう一度言いますが、問題解決能力の低い人とは、問題はその人にあって解決すべきは私と思い込んでいる人です。
「どうにもならない問題」をなくす考え方
続いて、ここまでで挙げたような「どうにもならない問題」をなくしてしまう考え方を考察したいと思います。
少し無責任に思われるかもしれませんが、問題を目の前にして「自分にできる範囲で、事態を良くできることはないだろうか?」と自分ができることにのみ焦点をあてましょう。
「それ以上、それ以外はしーらない」です。
「どうにもならない問題」を「どうにか解決」しようとするのがそもそもの間違いなのです。
しかし、人間という生き物はどうにもならない問題で悩むことが多いです。
もし、本当にどうしようもない事態に陥っても、「やれるだけのことはやった。後は知らん」と前に進むことが重要かと思います。
問題を問題として捉えないというのはいけませんが、その問題のせいで私は苦しんでいると被害者意識を持つのもナンセンスです。
最悪の場合、その問題を持ちかけた人が問題であると認識しだすのです。
その人自身やその人の行動に問題があるのではありません。
行動によって問題が起きたように見えても、その背景には様々な改善点が隠れています。
その小さな改善点に目を向けず、一緒に悩んだり試行錯誤しようともせず、問題は利用者にあってそれを解決するために介護士がいると認識している人の考え方にこそ問題があるといえるのではないでしょうか。
おわりに
「どうにもならない問題」をなくす考え方と問題解決能力の低い人の特徴を考察してみましたが、いかがだったでしょうか。
簡単にまとめると、いつまでも問題を抱える人の特徴として、利用者様は問題を起こす人で解決する人は私と捉えている傾向にあります。
そして、問題に振り回されたくないのであれば、初めから抱え込もうとせず、「できる限りのことはさせてもらうね?それ以上は知らないよ?私に何ができるだろう?」というスタンスで、一緒に悩む姿勢を見せるようにしましょう。
一度介護施設の利用者様を相手に試してみてほしいのですが、ただ聴くだけで落ち着いて下さったりします。
その他の場面でも、意外と自分の話を聴いてほしいだけという人は多いです。
傾聴の大切さがわかる機会になるかもしれません。
これからは、「なんとかしなくちゃ!」と解決することばかりに囚われるのではなく、「へぇ、そうなんだ。どうすればいいんだろうね」と問題を抱える本人にも一緒に考えさせましょう。
それでは、閲覧ありがとうございました。