「理想の老後」のために、介護士には何ができるだろうか?
閲覧ありがとうございます。介護福祉士をしているTAKUMIと申します。
介護士をしている身としては、書かなくてはならないお題です。
今週のお題「理想の老後」
人々はどのような老後を過ごしたいのか?そのために介護士にできることは何だろうか?というお話をさせて頂きたいかと思います。
【目次】
みんなどんな老後を過ごしたいのか?
とても当たり前なことを言いますが、人それぞれ違うが答えとなります。
人それぞれ違うニーズを引き出しそれを叶えるために支援するといった努力が求められ、毎日必死で個々人に合わせる仕事をしているのが介護士です。
それなのになぜ、例えば施設利用をされているご高齢者は不満ばかりを口にされ、「家に帰りたい」と訴え続けられるのか?
認知症の方には何をしてあげても記憶に残らないから意味がない?
介護士側の専門性が低い、または人手不足によりそんなことをしている暇がない?
どちらも間違ってはいないかもしれませんが、もっと恐ろしい事実があるかと思います。
自分でも自分のニーズをわかっていない
その原因は認知症によるものというわけではありません。
若い世代の人にも同じことがいえます。
明日何をすれば、自分が最も幸福になれるかなんて、誰にもわからないのです。
それなのに、幸せな老後生活を想像したところで、それが本当に幸せであるかなんて、その時になってみないとわからないはずです。
おそらく、”明日の妄想”ばかりしている人は、明日になったらまた”明日の妄想”が始まります。
そして、残された人生が少なくなり明日が見えなくなった『老後』に後悔ばかりが残るのです。
つまり、”今”を懸命に生きることが一番であり、現在を楽しむことで後悔を残さないようにするしかありません。
自らの意志で選択していくことが大事
ご高齢者の不満や後悔を取り払うためには、介護士があの手この手を考えた支援に努めるよりは、利用者が自らの意志で選択していくことが重要かと思います。
なぜなら、どうしても介護士の価値観のみで支援し続けても、押しつけになってしまいがちだからです。
利用者様は「わしのためによー頑張ってくれた」と喜んでくださることもありますが、本当に豊かな人生を生きていくには、自己選択が重要です。
もし、個人の意志決定が重要視された環境を作ることができたら、ご高齢者に活力がつくと思います。
自分の生活を豊かにするために、自分自身が頑張るのです。
そして、「◯◯をしたら幸せ」ということは絶対にありえません。
幸せに生きようとして活気的に生きている時間こそが、幸せを感じるのだと思います。
介護士がやるべきことは、わかりきっている
まずは、今までの『老後』のイメージを改善しなくてはいけません。
「老後になったら、子供の言うことを聞いて施設に入り人様の世話になっていく」なんて誰が望む未来なのでしょうか。
少なくとも、「◯◯がしたい」「◯◯をしてほしい」という意志決定力ぐらいは持たせてあげなくてはなりません。
正直、施設という箱に入れられ、無理な食事や服薬により”生かされている”という印象を受けてしまうご高齢者は現実に存在します。
施設に入居されているにしても、一緒にテレビでも観て社会問題について話し合ったり、施設の環境整備やサービスの在り方を改善していくために一緒に工夫したりしている方が、自分個人を尊重されているような感覚になって頂けるでしょう。
いくら常識とは外れたニーズでも、叶えにくい希望だとしても、その人の意志や尊厳を守る支援ぐらいはしましょうよ。
なぜなら、「年寄りのワガママを聴く」のが我々介護士の仕事なのですから。