介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

質の良い介護施設の特徴。~1つの質問で本性が暴ける

 

閲覧ありがとうございます。介護福祉士のTAKUMIと申します。

 

 介護職のみなさまが就職されている、またはこれから就職しようかと思っている介護施設の質を測るために、1つだけ質問をしてみて下さい。

その答えによって、本性を暴くことができます。

 

 今回の記事では、介護施設や上司、職員の質の測り方をご紹介します。本性を暴くための知恵としてご活用くださいませ。

 

 【目次】

 

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質の良い介護施設とそうではない介護施設の特徴

 

 質を測るために、1つだけ質問をしてみて下さい。とお願いしましたが、その答えによって本性を暴くことが可能です。

 

質の良い介護施設なら、誰に質問しようと同じ答えが返ってくるからです。

 

そうではない介護施設は、職員によって返事が大きく異なることが多いかと思います。

 

 会社に行動規範となるマニュアルが存在し、全員がそれをやる理由まで把握することができていたら、なかなか質が高いといえるでしょう。

 

 私が経験した施設でも、書類の書き方や保管場所を先輩に聞いたところ、人によって答えが異なっていることがありました。

そして、実際に保管されている場所が複数に散りばめられていたのです。

パソコンなどのデータとして保存しないというだけで現代っ子からしたら不安なのに、その書類の紙を片付ける場所が職員によって異なるのです。

そして、当然のように取り出すのに時間と手間と混乱が生じ、毎年の年末掃除で泣くはめになります。

 

 これは単なる一例ですが、業務内容の理由を理解し全員が共有できていない施設はいろいろやばいということは、みなさん理解があると思います。

みんなわかっているはずのことが、できていない施設があるのはなぜでしょうか?

 

 まずはその介護施設の上に立つ上司という存在の本性から暴いていきましょう。

 

 

上司の質を暴く

 

 上司の質を判断するためには、現状起きている「現場の問題点」を尋ねてみて下さい。

 

 質問に対して瞬時に答えられる人ほど、そのことについて悩んでいるのでしょうし、

「~だから、今◯◯という対策を打っているところです」と改善策まで答えられる人はレベルが高いといえるでしょう。

 

 もっというなら、その問題点と改善策を現場の職員にまで周知できていれば、言うことはありません。

全員が同じ方向を向かい、努力できている集団に怖いものはないからです。

 

 

 反対に、無能な上司もいて、「現場の問題点」が何かを尋ねるても「人手不足」という答えしか返ってこない人もいます。

 

 ……ご存知でしょうか?

「人手不足」という問題は特定の介護施設の問題ではなく、ほとんどの介護施設に共通していえることです。

それをあたかも自分の施設は一番「人手不足」に困っていて、それ以外には何も問題はないと思い込んでいるかのように構えている人もいます。

 

 もし、深刻な「人手不足」だったとしても、人員が足りないことにより”何が”問題になっているかを明確に答えられない上司は無能です。

 

 

職員の質を暴く

 

 続いて現場にいる職員の質を暴いてみましょう。

 

全員に使える質問があります。

 

それは、利用者様への対応方法です。

 

 利用者様のいわゆる”問題行動”に対して、どんな対応をするか?という質問です。

「◯◯さんが~~をしたら、どう対応しますか?」と質問してみましょう。

 

 その答えが職員によって違う場合には気を付けた方がいいです。

毎日でも繰り返されるはずの利用者様の行動に対して、どういう対応が一番適しているのかが話し合われていない可能性が高いです。

それでは、せっかく毎月程度集まるフロア会議が無駄な時間となっています。

 

 利用者への対応方法を画一化させることに対する反対意見でよくみられるのが、「職員と利用者の人間関係によっても変わるから、ルール化・機械化せずに思いやり・優しさで対応しようよ」という恐ろしい回答です。

利用者のために必死で頭を使い、心からのケアをしようとすることは素晴らしいことですが、職員と利用者の人間関係によってケアの質が変わると自らの口で言ってしまっているのです。

 

 もし、苦手な利用者を相手にする時、まだ未熟な職員がケアにあたる時、いつもより質の低いケアを受けるはめになる利用者が被害を被るのです。

「自分は困っていないから」と、現場の職員全員がケアできる形にまで体系化させないことは、間接的に利用者への被害になっていることに気づいた方がいいです。

 

 

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まとめ

 

 今回の内容を簡単にまとめると、

質の良い介護施設で質問をするとみんなが同じ回答をし、そうではない施設では全員言っていることがバラバラ。

有能な上司は現場の問題点と改善策を職員と共に把握しており、無能な上司は「人手不足」などの言い訳をして何も考えていない。

レベルが高い現場職員は利用者に対するケア内容の統一性があり、レベルが低い現場職員は”心”だけを重視する。

 

 チームワークが重要とされる介護現場では、理念や考えを共有しなくてはなりません。

そのためには、一人一人の「心」に焦点を当てるのではなく、「行動」に目を向けましょう。

具体的な行動規範で統一性を持たせて、安定されたケアを提供した上で、介護職員個人が優しさを発揮すればよいのです。

 

 まずは土台となるケアやサービスがちゃんと体系化されているのかを見抜きましょう。

そのためには、1つ質問を投げかけるだけで十分です。

 

介護施設の質を測るために、参考にしてみて下さい。

 

 閲覧ありがとうございました。