介護職がアウトプット力を高める3つの戦略!
閲覧ありがとうございます。介護福祉士のTAKUMIと申します。
介護職のみなさま、アウトプット力を向上させましょう。
というのも、介護職は普段、利用者や家族の思いや希望を聴いてばかりで、自分自身の思いを発信することが少ないです。
たまに自分の感情を聴いてもらえる機会ができると、積もり積もった感情が爆発したように、愚痴のオンパレードが始まったりすることもあります。
心当たりはないでしょうか?
せっかく、聴いてもらえる機会ができたり自分の思いを相手に伝えなくてはならない状況になった時、アウトプット力(伝える能力)の低い人は損をしてしまいます。
そこで今回は、介護職の方が働きながらできる、3つのアウトプット力向上戦略をご紹介します。
ぜひ、嫌々働いたり退屈な毎日を送るのではなく、工夫を施す機会にしてみて下さい。
【目次】
介護職のアウトプット力向上戦略!
介護職がアウトプット力を向上させる戦略として、3つの工夫をご紹介します。
これは、日常の業務や他者との関わりの中に工夫を施すだけで行えます。
ありきたりに思われるかもしれませんが、とても大事なことです。
毎日の行動にどれだけ意識を向けられるかで、成長度合いは変わってくるかと思います。
認知症の方に思いを伝える。
まず1つ目の工夫、認知症の方に自分の思いを伝えることで、アウトプット力は向上します。
なぜなら、認知症の方に思いを伝えることはとても難しいことだからです。
健常者の人を相手にしても自分の思いや感情を共有させることは困難なのに、認知機能や記憶力、理解力が低下してしまっている方に理解してもらうには、相当な言葉選びの力が必要となってきます。
少し余談になりますが、私は、対人コミュニケーションにおいて、語彙力より言葉選びの能力の方が重要だと思います。
多くの言葉を知っていたとしても、相手の知らない単語を羅列したところで相手に理解を与えられなかったら、そのコミュニケーションは無駄でしかありません。
多くの言葉を知っているより、どのような言葉が相手に理解しやすいか、その言葉を選ぶ能力の方が重要であると思います。
それが、認知症の方とのコミュニケーションで磨かれるという主張です。
人それぞれに違った人生経験があり、言葉遣いの癖まで変わってきます。
わざわざ難しい単語を辞書で引っ張って使おうとするのではなく、「その人の言葉」でコミュニケーションを図った方がスムーズに思いを伝えることが可能です。
自分が伝えたいことを、相手の人が理解しやすいためには、どのような言葉選びや伝え方が適しているか?を考える習慣を身につけましょう。
そのためには、その人が普段どのような言葉やコミュニケーションの取り方を図っているかを観察し、インプットしておくことも重要です。
認知症の方の思いを代弁する。
続いて2つ目の工夫、今度は認知症の方の思いを代弁してみましょう。
認知症の方自身も、自分の思いを発信することに困難されています。
その複雑な思いを介護者が的確に代弁してあげるのですが、これには2通りのやり方があります。
まず1つ目は、その人の家族や他職、医師に代弁するということです。
これはなんとなく想像できるかと思います。
その人がどういう思いでいるのかを家族の方に伝えたり、その人に隠されたニーズを他職や医師に伝えたりするのです。
もちろん、介護者の主観的な意見や価値観が邪魔してくるため、100%伝えきれることは不可能に近いですし、家族からしても「出しゃばるなよ」と思われることもあると思います。
しかし、認知症の方が周囲の人と円滑なコミュニケーションを図るには、介護士という仲介者は必要な場面が多いです。
そのためにも、普段からその人の思いや感情、ニーズを把握するための働きをしていきましょう。
そして2つ目が、認知症の方自身に確認するという考え方です。
というのも、自分自身が自分のニーズを自覚できていないことも多くあるからです。
人間という生き物は悩みの絶えない生き物ですが、結局どうしたいのか、どうありたいのか自覚していないことも多くあるのです。
例えば、『帰宅願望』を訴え続ける方がいたとして、その原因が「今いる環境が落ち着かないから」なのか「家にいる孫の顔が見たいから」なのか、誰も把握できていないことがあります。
もし、「今いる環境が落ち着かない」のなら、少し場所を変えるか落ち着くために必要な環境整備に目を向けるべきです。
また、「家にいる孫の顔が見たいから」なら、お孫さんの写真を用意するなりテレビ通話で会話する機会を作ったりすればいいのです。
つまり、一口に『帰宅願望』と言っても、「家に帰りたい」というニーズが原因ではないこともあるのです。
もし、利用者の方が「帰りたい」と言っていても、その原因がなぜかを考え、「もしかして~~にお困りではありませんか?うちの施設では◯◯という対応もできますよ」と本人に確認してみるのです。
すると、「そうか!じゃあしばらくはここにいよう」と落ち着いて下さるかもしれません。
認知症高齢者の方は、自分の思いやニーズを主張することも理解することも困難な方がおられます。
それを的確に代弁してあげられるのが介護士です。
これも言わずもがな、日々のインプットが欠かせません。
認知症ケアという複雑な仕事を説明する。
最後に3つ目の工夫、認知症ケアという複雑な仕事(専門的なケア)を説明するアウトプット力があると強いです。
これは少し方向性が変わり、第3者への発信(アウトプット)です。
今までは、介護現場や介護業界の中で発信できるという工夫でしたが、今度は外の世界に出てみようという提案です。
認知症という複雑な病、そのケアには曖昧な専門性、これらを具体的にわかりやすく伝える能力を身につけましょう。
それだけで、アウトプット力が向上されますが、その先に大きなメリットが隠されています。
それは、他業種とのつながりです。
介護業界はとかく、他業界または外とのつながりに弱いです。
介護施設は閉鎖的であるという印象をよく持たれますが、それは利用者の方が外に出てしまわないよう施錠しているためではなく、社会から孤立しがちだからだと思います。
「介護ってどんな仕事なんだろう?」「施設の中はどうなっているんだろう?」と介護現場のリアルを知る人は少ないかと思います。
そのため、世間に介護現場の現実を伝えていかなくてはなりません。
確かに、辛いことがたくさんある仕事です。
しかし、楽しみややりがいを感じることも多くあります。
そのポジティブな側面の話題もしっかりとアウトプットしていかないと、ニュースに流れる『虐待』や『身体拘束』が通常の状態かのように扱われます。
人間はネガティブに引き寄せられやすい生き物のため、実際に現場にいる介護職が意識してアウトプットしないと、ポジティブな側面は隠れていってしまいます。
介護現場でのことが、折れ曲がって周知されないよう、外の世界への発信力を身につけましょう。
話がそれましたが、介護業界こそ他業種とのつながりが必要かと思います。
閉鎖的な空間でご高齢者を閉じ込めたり介護職にも息抜きの機会がないことには、お互いに精神的な疲弊をしていきます。
そこで、認知症や介護のリアルをアウトプットすることにより、ご高齢者の安全を守りながらも+αで何か楽しみなどを提供できると、サービスの質は向上します。
これからの介護職の方々は、『介護×◯◯』を実現させるためのアウトプットをしていきましょう。
介護職こそ、コミュニケーションのプロなのではないか?
いかがだったでしょうか。介護職がアウトプット力を高める3つの戦略!でした。
認知症の方にこちら側の思いを伝えるにしても、認知症の方の思いを第三者に伝えるにしても、日々のインプット(観察)が欠かせません。
よく、対人コミュニケーションが苦手な方で、「何を話したらいいのかわからない」という方がおられますが、そういう人は自分が話をすることに目が行きすぎです。
コミュニケーションで重要なのは、相手の話をよく聴き、求められる返事を繰り出すことです。
介護職は、自分の言いたいことを言っても聴いてもらえないため、認知症の方に理解できる範囲で、そしてその人が求めている言葉かけを行います。
そのため、相手を怒らせない話し方をするのが上手なように思えます。
つまり、いかに自分の話す内容より、相手の内面や話に関心を向けられるかどうかが重要になってくるといえるのです。
そして、身内だけでは完結できない時代になってきているため、他業種とのつながりを作るために 外の世界への発信力を身につけましょう。
介護の専門性を解き明かし、アウトプットすることで『介護×◯◯』を実現しましょう。
そうすれば、利用者にも介護職にも楽しみややりがいが生まれるかと思います。
閲覧ありがとうございました。