『帰宅願望』に学ぶ、介護職員のキャリアプランニング。
閲覧ありがとうございます。介護福祉士のTAKUMIと申します。
介護職員の方で、自分のキャリアの展望を考え「そろそろ転職しようかな」とお考えの方はおられないでしょうか?
もしくは、今の会社への不満が動機になっているかもしれません。
社会人である私たちは、自分のキャリアについて何かと悩みがちです。
そんな中、介護職員は認知症ケアの中の『帰宅願望』から自分のキャリアについて考えられるきっかけになるのではないか?というお話をしたいかと思います。
【目次】
目的を知る
当たり前ですが、自分のキャリアに対する目的を知ることが大切です。
自分が求めているものがわかっていないのに転職活動を行っても、「どこにいってもうまくいかない…」という思考に陥ってしまいます。
まずは、目的を知るというお話からさせて頂きます。
そのために、認知症ケアの中の『帰宅願望』でよく見かける、「帰りたい」という発言の意図から探っていきます。
「帰りたい」の本当の意味
『帰宅願望』のある方は、よく「帰りたい」とおっしゃられますが、文字通り「家に帰りたい」という意味ではないかと思います。
『帰宅願望』を訴える根本的な原因は、「帰りたい」より「あの頃に戻りたい」の方が表現として適しているかと思います。
つまり、現状の自分の状態を受け入れることができておらず、「元気だったあの頃」「若かりし頃」に「戻りたい」という意味です。
これは、転職をしようかと悩んでいる人にも同じようなことが言えるのではないでしょうか?
会社へのちょっとした不満が許せなくなってきたり、仕事自体に喜びを感じることが少なくなってきてしまい、
仕事に追われることのなかったあの頃や、新人の頃のワクワクに「戻りたい」と心のどこかで願ってはいないでしょうか?
これは、私個人の価値観ですし、全ての認知症高齢者の方に当てはまるわけではなく、実際に「家に帰りたい」という方もおられます。
しかし、介護職をしておられる方には共感して頂ける視点かと思います。
実は、「会社を変えたい」のではない
転職の動機は、働く環境を変えたいのでしょうか?
つまり、「会社を変えたい」というのが自分のキャリアに対するニーズなのでしょうか?
そうではないと思います。
先ほどのように『帰宅願望』のある方に置き換えると、「施設を変えたい」と自分の環境に変化を求めているのではなく、「自分自身の状況を変えたい」のです。
これを転職希望者に捉え直すと、「会社を変えたい」のではなく「自分が置かれている状況を変えたい」となります。
あまり変わらないじゃねぇかと思われるかもしれませんが、意味合いは大きく変わります。
この意味の違いがわからずに転職してしまう人は、おそらく次の会社でも同じ不満が繰り返されます。
なぜなら、「会社を変えただけ」だからです。
人間は変化に弱い生き物なので、現在の状況や環境に不満があるくせに、また似たような会社や職種を選ぶことが多いです。
これはとても矛盾しているといえますよね。
つまり、本当に自分のキャリアに変化を望むなら、転職の動機やニーズを明らかにして「会社」を変えるのではなく「状況」を変えるべきだということができます。
ニーズを明らかにするために
自分自身を変えるため、より良いキャリアを積んでいくため、自分のニーズを明らかにしなくてはなりません。
そうじゃないと、先ほどからお話していることの二の舞になってしまうからです。
そうならないように、具体的な方法を提案してみたいと思います。
足を運んでみる
『帰宅願望』のある方には、実際に家に帰ってみてもらいましょう。
つまり、『転職希望者』は実際に他企業や求人を覗いてみるのです。
実際に帰宅(転職)するとなった時、何が原因で落ち着く(満足いく)のか?を探るためです。
例えば、認知症高齢者の方が自宅に帰った時、「やっぱり家が一番」はなぜ起きるのでしょうか?
その条件となる要因を探り、ニーズを明らかにしていきましょう。
条件を満たす
もし、『帰宅願望』のある方が落ち着く条件を施設内で満たすことができるなら、施設で実際に再現したり提供したりすることで、その方に落ち着きや安心感を与えることができるかもしれません。
落ち着く条件とは、例えば「トイレの位置がわかりやすい」とか「好きな時にお茶が飲める」とかその程度かもしれません。
実際に普段とは違う環境に足を運ぶことで見えてくるものはあるかと思います。
これを『転職希望者』に置き換えると、自分自身が会社に求める条件や仕事に対するニーズを明らかにすることで、それを満たしてくれる会社や仕事選びを行うだけです。
実際に転職活動をしてみて頭を悩ませるとわかるのですが、自分が不満に感じていたことはただのストレスが原因で、実は求めているものは違ってたりもします。
それを明らかにするために、実際に会社を辞めないにしても、不満や悩みがあったら、実際に行動してみるのも良いかもしれません。
「もうこんな会社嫌だ!」と言って、ストレスが原因で見切り発車に会社を辞めても、良い結果は生まれません。
同じ環境で働き続けるにしても転職活動を行うにしても、まずは自分自身のニーズを明らかにすることが大切です。
というか、自分がやっている仕事から「スキル」でも「給料」でもなんでもいいですが、「何が得られるか」がわかっていない状態で働き続けるのはナンセンスです。
時間の無駄だといえるでしょう。
何を変化させるべきかを考える
かといって、100%満足いくような完璧な会社や仕事なんて見つかりません。
そこを目指してしまえば、「自分は不幸な人間だ」と落ち込んでしまうことになります。
そうならないためにも、ここまでで話したようにニーズを明らかにし、"何を変化させるべきか"を考えましょう。
例えば、今不満に感じていることが、認知症ケアについてのことなら、会社を変えてもまた繰り返されます。
もし、介護を続けるなら、認知症ケアについての理解を深めるために勉強することが1番の対策でしょう。介助技術もしかりです。
もちろん、どうしても介護が嫌になってしまったというなら、違う職種を目指すのもありです。
もし、その会社独特の理念や組織風土が自分に合わないのであれば、自分に合った会社を探すのが1番です。
自分は何に不満を感じていて、何を変えればある程度満足いくのかを定めるためにも、転職活動はおすすめです。
不満を抱えたまま現状を維持するのではなく、自分が求めるものややりがいを感じるものを見つけるためにも、何か行動に出ることが吉でしょう。
というお話でした。
おわりに
いかがだったでしょうか。『帰宅願望』に学ぶ、介護職員のキャリアプランニングでした。
今回のお話の結論として、自分が不満を感じる原因と満足のいく条件を明らかにしましょうということです。
『帰宅願望』があるからといって、家に帰れば全てが解決するわけではありません。
(それについては前回の記事で話しています)
『会社に不満がある』からといって、闇雲に転職してしまえば不満が繰り返される可能性大です。
不満があるのに現状維持をするのでもなく、不満を解消させるために転職に関する書籍を読み漁るのでもなく、自分自身と向き合うことが重要だと思います。
毎日頑張る介護職員の方々の参考になれば幸いです。
閲覧ありがとうございました。