介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

なぜ、ブラックとわかっていても会社を辞められないのか?~介護現場のリアル

 

 介護職員さんの中で、「会社を辞めたいと思っているけど辞められない」という悩みを抱えている人はいないでしょうか?

 

先に言ってしまいますが、辞めたいなら辞めればいいです。

 

特に、自分の勤める会社がブラックなのではないかという不安があるのでしたら、それを確かめるという動機だけでもいいので、転職してみることをおすすめします。

 

こうやって、文章を見る分には簡単なことのように思えますし、世の中でもブラック企業の特徴などを挙げて、当てはまったら辞めた方が良いという呼びかけがよくされています。

 

とてもシンプルな考え方をしても、ブラック企業に搾取されている状況で、他で稼ぐことができるのだとしたら、すぐにでも会社を辞めるべきでしょう。

 

しかし、世の中には、ブラックとわかっていても、なかなか会社を辞められない人もいます。

そんな、介護現場のリアルをご紹介します。

 

 【目次】

 

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介護職員が会社を辞められない理由

 

 先に言っておきますが、介護施設」ではなく「会社」を辞められない理由です。

 

他にやりたいことができて、介護業界から足を洗うとなった時は、会社を辞めるくらいのことは決断しやすいかと思います。

 

しかし、現在勤めている会社に不満があるけど、介護は続けたいから、違う介護施設に移ってみたいという時は決断しにくいものです。

 

 その理由を3つに分けてご紹介します。

 

「利用者や職員を見捨てられない」「洗脳」「エネルギーが残っていない」

 

これら3つの介護現場のリアル、共感して頂ける介護士さんは多いのではないでしょうか?

 

 

利用者や職員を見捨てられない

 

  ただでさえ、人手不足で辛い状況の中、自分が辞めてしまえば周りに迷惑がかかってしまうんじゃないかという気持ちになってしまいます。

他職員を裏切って業務負担を増やさせ、それに伴ってケアの質が低下して、利用者を見捨てるような感覚になりがちなのです。

 

  実際に、「会社を辞めます」と退職を申し出た時に、「他の職員を裏切るんだな?」「利用者さんを見捨てるっていうのか」と言われたことがありますし、世間でも似たようなことがあるみたいです。

 

正直、「いや知らねぇよ」と言い返してやりたいところですが、他職員や利用者の方々には思い入れがあり、そんなセリフを吐いたことが知られるのも気が引けます。

 

そうなることを狙ってか、何も考えてないのか、ブラック企業を経営するような人間は平気でそのようなことを言います。

 

利用者の方からしても、自分を支えてくれる人が離れていくのは不安でしかありませんし、職員の状況を考える余裕もないため、「離れないで」と言ってしまうでしょう。

 

 このような状況下では、優しいまたは気の弱い介護士さんは、会社を辞めることは間違っていることだと自分に言い聞かせてしまいます。

 

じっくり考えてみろ

 

 一度立ち止まって、じっくり考えてみましょう。

 

周りにいる仲間や、目の前の利用者の方を大切に思う気持ちはわかります。

 

しかし、自分が退職してその集団から離れることを「裏切る」または「見捨てる」という感情を抱いてしまうということは、「この施設に取り残すのは悪いことだ」と認識しているに等しいわけです。

 

その時点で、その施設の質は良くないということが、自分でもわかっているのでしょう。

 

 本当に、目の前の人のことを思うなら、その施設を変えてしまうか、違う場所でサービスを受けるような取り組みをするべきではないでしょうか?

 

しかし、どちらも一個人にはできないことですよね?

だったら、自分のスキルを磨くためにも、心身を安定させるためにも、環境を変えてみることをおすすめします。

 

 そして、他職員や利用者を大切に思うことはいいことですが、自分の体や家庭を壊してまで捧げるものでもありません。

本当に守るべきものは何なのかをじっくり考えましょう。

 

 

洗脳

 

 続いて、「洗脳」です。

 

ブラック企業においては、「洗脳」されることが多くありますよね。

 

少し常識とは外れたことを言っているにもかかわらず、話を合わせているうちに、自分の思考体系まで変わっていってしまうことがあります。

 

そのため、自分のキャリアを考えて会社を辞めようと思い立ったら、「洗脳」を解かなくてはなりません。

 

よくある「洗脳」

 

 例えば、よく洗脳されることといえば、「このご時世、どこの企業も同じ状況なんだよ」「それに比べたら、まだうちはマシな方だよ」と、上司によく言われるかもしれません。

 

他にも、「すぐ会社を辞めるやつはどこ行っても長続きしない」「ある程度の忍耐をすれば、そのうち慣れてくる」といったことをよく耳にします。

 

確かに、一理あることですし、完全に的外れな発言ではないでしょう。

 

しかし、だからといって転職することが悪いことだと定義できるものでもありません。

 

これは、ある種その上司自身も洗脳されてしまっているのだと思います。 

 

会社を辞めにくく変化を恐れて、現状維持をするための言い訳として、洗脳されてしまっているのです。

 

 確かに、継続することは大事なことですし、ある程度の忍耐も必要かもしれません。

 

しかし、その会社とのミスマッチという可能性も大いにあるのです。

 

つまり、こればっかりは、実際に行動してみないとわからないということです。

 

ただ1つ言えることは、現状に不満を抱えながらも、何が正しいのか悩みながら、そのうちブラック企業に洗脳されていくよりは、自分から行動を起こして何らかの学びを得た方が良いと思います。

 

もし、少しでも転職などの動機が芽生えたら、何が嫌でどんな変化を求めているのかを自分に問いかけましょう。

 

自分の人生において重大なキャリアを考える上で、周りの意見に耳を貸したら終わりです。

 

 

エネルギーが残っていない

 

 もしかしたら、これが一番多いのかもしれません。

実際に、自分の会社にブラックな要素があって、不満だらけで心身共に疲弊しているにもかかわらず、 それが故に辞めるエネルギーが残っていないというケースです。

 

疲れ切った状況で、変な「洗脳」が介入してきて、「どこいっても同じ」「ここで我慢できなければ、次行っても続かない」という意見に頼ってしまい、行動することに恐れを感じてしまうのです。

 

もちろん、次行った企業の方が、自分の性に合わない可能性もあります。

が、それこそ動いてみないとわからないことです。

 

考える余裕がないなら、動いてから考えろ

 

 人間は変化することを嫌う生き物のため、現状維持をしがちですが、現状に不満を抱えているのなら、変わるきっかけがきたと思って良いと思います。

 

もし、少し環境を変えるだけで解消される可能性のある不満なら、悩んでいる時間がもったいないですし、転職に失敗したとしても、そこで学びを得て次の行動に移せばいいのです。

 

自分から変わっていかないと、良い変化はもたらされませんし、誰も助けてくれなんかしません。それがブラック企業なのですから。

 

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おわりに~辞めることは悪いことではない

  

 いかがだったでしょうか。

『なぜ、ブラックとわかっていても会社を辞められないのか?~介護現場のリアル』というテーマでお話させて頂きました。

 

同じく介護現場で働く方には、共感して頂ける部分があったかと思います。

 

「辞めることは悪いことではない」「動いてみないとわからない」と言い、転職を勧めてきましたが、必ずしも辞めることが良いことだとも言えません。

 

何が言いたいかというと、周りの意見や価値観に流されず、自分の頭でじっくり考えようということです。

 

あなたが心身を壊してまで会社に通わなければいけない真っ当な理由などありません。

 

その姿を見ても助けてくれないような人達との関係は切ってしまって大丈夫です。

 

自分が本当に大切にするべきことは何なのかをじっくり考えなおしましょう。

 

閲覧ありがとうございました。