介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

介護現場で、男と女がうまく付き合っていくには?~それぞれの役割を意識しよう。

 

 あなたは職場やその他の人間関係で、異性の不可解な行動に戸惑ってしまうようなことはないでしょうか?

 

プライドが高く自分が一番だと勘違いしているような男性や、その場にいない人の陰口を話し合って楽しむ女性たち、、

 

それぞれに長所と短所があり、どちらが正しいかと評価できるものでもありません。

 

今回は、性別による違いを把握してお互いを知り、それぞれの役割を意識することで、職場で男女がうまく付き合っていく方法をご紹介します。

 

もちろん、介護現場にフォーカスした内容です。

 

 【目次】

 

 

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男と女の違い

 

 個人的な話ですが、近頃、脳科学や生物学的な観点から、男女の違いについて勉強しています。

職場で、女性のあまりにも理解できない行動を目の当たりにしてきたからです。

 

おそらく男であろう私には、女性という生き物を理解することができないと思っていましたが、勉強してみると、結構単純な理解がしやすかったです。

 

人間というのは複雑な生き物で、特性や行動原理を完全に理解することはできませんが、「男とはどういう生き物か」「なぜ女はこうなってしまうのか?」という問いには答えられそうだということです。

 

 

 先に伝えておきたい大事なことがあるのですが、男性だから男性脳だとか女性だから女性脳だとか、

「男にはわからない」「女には何を言っても無駄」とか、極端に決めつける姿勢はナンセンスです。

男性にも女性的な側面が見られるように、完全に二つに分けてしまうのではなく、「どれほど男性的な脳をしているか」「どれほど女性的な特性を持っているか」という尺度で捉えた方が好ましいです。

 

それでは、男と女の違いについて話していきましょう。

 

 

ゴールとプロセス

 

 まずは、職場のチームによく見られる重視しているものの違いです。

 

基本的に、男性はゴール(結果)を、女性はプロセス(過程)を重視します。

 

例えば、会議なんかで、結論は何になったのかを考えるのが男性です。

そして、女性はというと、みんなで話し合って決めたことかということを考えます

 

 つまり、議論の答えを導きだすにあたって、

良い結果を生み出すためには、答えになるような結論を出す必要があるとするのが男性

良い結果を生み出すためには、みんなで話し合うことが必要であるとするのが女性

ということです。

 

とても強面で(これはイメージですが)男性的な上司に、「これはどうしたらいいですか?」と問題を持ち込むと、「まずは自分の頭で考えろ、答えが出たらもってこい」とイライラされてしまうことはよくあるかと思います。

 

反対に、女性的な上司であると、「みんなで話し合う必要があるわね、答えを出すのは待っておいて」と問題を広げられてしまいます。

 

 

 結論を急ぐ男過程を楽しむ女の違いは、その他様々なところでもみられるかと思います。

 

私は、男の中の男のつもりなのですが、グズグズしている女性に苛立つことがよくありました。

「俺らは遊びにきてるんじゃないよ!さっさと答えを出して次の行動に移そうぜ!」といった具合です。

男性の方には共感して頂けるかと思います。

 

しかし、チームを組む上で女性はお荷物であると捉えてしまう前に注意しておきたいのが、よくよく考えたら男性にも答えがわかっているわけではないということです。

 

未来は誰にもわかりませんから、自分が納得するかどうかより、様々な意見を検討する必要もあるかもしれません。

 

他職員とのコミュニケーションから、新たなアイデアが生まれるかもしれませんから、結論を急ぎすぎる男性にも問題はあるということです。

 

 

プライドとコミュニティ

 

 続いて、男と女の大切にしているものの違いです。

 

男性はプライド(相手より優位に立つこと)を、女性はコミュニティ(共感しあえる仲間を作ること)を大切にします。

 

一般的にも、男性は孤立しやすく女性は群れをなす生き物とされていると思いますが、これが一因しているかと思われます。

 

競争意識が強い男性は、個人としての成長を意識し努力することでしょう。

共走意識が強い女性は、全体が共有することを目指し手を取り合うことでしょう。

 

 

 少し話はそれますが、暴力性の違いについてもお話してみたいかと思います。

 

男性は、女性に比べて脳の扁桃体(不安や恐怖、怒りを司る領域)が大きく、前頭前野(感情を制する領域)が小さいため、怒りが爆発しやすいです。

急に限度を超えた怒り方をして、暴力的になるのが男性に多いのはこのためです。

 

そして、女性はその反対だということです。が、これは女性が穏やかな生き物であるという意味ではありません。

 一般的にも、女性の方が感情的になりやすいという印象があるのではないでしょうか。

 

女性は、男性に比べて怒りや感情を制御しやすいと言いましたが、もう一つの特徴があります。

それは、言語中枢が発達していることです。

女性は男性より早くに多くの語彙力を身につけます。

 

つまり、女性に暴力性があるとしたら、男性のように物理的な暴力で怒りを発散させるのではなく、自分にとって有利な方向へと物事が運ばれるように、言葉という暴力を使い感情をうまく使いこなしているということです。

 

女性は、男性に比べて肉体的な強さがないため、言葉で他人を操り、自分を守ってくれる存在を作る能力に長けているのです。

 

こういう結論に至って、「男はバカな生き物だ」「女はやっぱり怖い」と非難する前に、自分もどちらかに当てはまっていることを自覚した方が良いでしょう。

 

 

 話を戻しますが、男と女には大切にしているものに違いがあるという話ですが、

男性は、自分のプライドを守るために、時に(物理的な)暴力を振りかざすことがあります。

女性は、コミュニティを作るために、(言語的な)暴力を扱うことがあります。

 

何が言いたいかというと、どちらも、自分が大切にしているもの、あるいは自分の身を守るために必要なことで、手段が異なるだけなのです。

 

人は自分勝手な生き物です。

他人を一番に思い、自分を捨てきることはできませんし、する必要もありません。

なぜなら、自分を大切にできない人間に、他人を大切にすることはできないからです。

 

 

理屈と感情

 

 3つ目の違いは、夫婦や恋人同士、男女の関係に多くみられる理解に関する違いです。

 

男性は、理解しようとする時、理屈や論理的な思考で理解しようとします。

女性はというと、感覚や共感能力を頼りに理解しようとします。

 

もちろん、男性に共感能力がなく、女性には論理的な思考ができないというわけではありませんが、脳の働き方の違いとしての傾向です。

 

男性は基本的に、システム的な理解を試みようとします。

例えば、相手の話や意見を理解しようとする時、話の内容や意見の中身に焦点を当てるのです。

 

女性の場合は、感覚的に理解しようとします。

話の内容や意見の中身より、相手の表情や声音から感情を読み取るのです。

 

ミラーリング(模倣)」という現象が(またはテクニックとして使われることも)あるのですが、これは、無意識にも相手の表情や仕草などを鏡(ミラー)のように真似をして、相手に共感を示し、実際に共感してしまえるというものです

 

女性はとりわけ、この「ミラーリング」が得意と言われているのです。

 

理屈を理解するのは男性が得意で、感情を理解するのは女性の方が得意だと覚えておくといいでしょう。

 

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男と女はわかり合えないのか?

 

 「男と女は違う生き物なのか?」 という問いには、もちろん「YES」と答えます。

 

しかし、先ほども言ったように、脳や構造が完全に異なるというわけではありません。

男性と女性の遺伝子コードは99%が同じであるということがわかっているくらいです。

傾向としての違いが存在するだけで、わかり合える範囲のことは多くあるはずです。

 

 違う生き物であると自覚した上で、どうすればわかり合えるのかという歩み寄りの姿勢が大事かと思います。

これを夫婦やカップルに助言することは簡単なことですが、職場の人間関係になると「なんでそこまでしなくちゃいけないんだ」と思ってしまいますよね。

 

ここからは個人的な意見ですが、介護現場で、男と女がうまく付き合っていくには、男性が理論として女性を理解する方が効率が良いと思います。

女には男を理解することができないとは言いませんが、女性は女性ならではの共感能力やマルチタスクという介護現場に適した才能をそのまま活かすべきだと思います。

 

「介護の世界は、やり手の女とお人好しの男でできている」と言われているくらいです。

 

別に気を遣いすぎる必要もありませんが、それぞれの役割を意識して、支え合う関係を作っていくことが最も効果的かと思います。

「俺は一人でやっていける」と言っている人は、チームケアが必要とされる介護現場には向かないですから。

 

閲覧ありがとうございました。