介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

介護職に向いているのは、男性か女性か?

 

 「介護の世界は、やり手の女とお人好しの男でできている」と言われていますが、どちらの方が、介護職として向いているのか?という問いを投げかけたいかと思います。

 

それぞれの仕事の仕方や行動特性の違いを見て、考察していきましょう。

 

 【目次】

 

 

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男VS女

 

 結論から先に言ってしまうと、介護業務の作業においては、生物学的には女性の方が向いているというのが答えです。

しかし、男性にも求められる能力があるため、結局は役割のバランスをとることが重要です。

その理由を解説します。

 

性別で仕事の向き不向きを比べていいものではないかもしれませんが、性差別したいのではなく、それぞれの役割を意識するための考察です。

 

これからお話する内容が全員に当てはまるわけではありませんが、そういった傾向は見られるはずです。

最後の方に、参考文献も載せておきます。

 

共感や納得を得られることができたら幸いです。

 

 

仕事の取り組み方

 

 仕事や業務への取り組み方、またはタスク(作業)処理の仕方としては、男性はシングルタスクで、女性はマルチタスクで取り組みます。

 

作業に一点集中するか、他の作業と同時並行させるかの違いです。

 

 介護現場に関して言えば、マルチタスクを得意とする女性の方が向いていることでしょう。

利用者の動きを観察し、見守りながら自分の作業を進めることができるためです。

 

 男性の場合は、集中している対象のもの以外は目に入らないことが多いです。

そのため、事務室で集中力が必要とされるような仕事は男性にやらせた方が良いです。

 

雑談しながらも仕事に着手できる女性に対して、男性は仕事に集中しているか雑談オンリーになるかで大きく別れるような印象があります。

 

 

 仕事に一点集中している真面目な男性の方は、雑談オンリーの人はもちろんのこと、私語を入れながら業務に当たる女性が許せないことが多いのではないでしょうか?

 

私も、業務に追われている中、仕事と関係ない話が聞こえてくるとイラっとしてしまうことがあります。

「あなたたちがもっと真面目に働かないから仕事が楽にならないじゃないか」といった具合です。

 

しかし、女性にとっては大真面目なのです。

 

 女性は、男性よりも人間関係に重きを置く生き物です。

つまり、女性に黙ったままの空間で作業させようとすると、「相手が怒っているんじゃないか?」と余計な心配をしてしまいます。

沈黙に耐えられる女性も中にはいるようですが、常におしゃべりしていて当たり前な人の方が多いはずです。

 

仕事をこなすにあたって、沈黙による余計なストレスを抱えないためにも、おしゃべりをしてしまい、その方が仕事も人間関係も良好な状態で進めることができるため、大真面目だったのです。

 

 

 ここからは個人的な意見ですが、そのおしゃべりが職員間の私語になってしまっているから、給料が発生している仕事上許されないのです。

 

そのため、気を配る対象を利用者に向けることができれば、言うことはありません

 

つまり、介護現場では、マルチタスクを得意とする女性が自分の業務をこなしながらも利用者の方とコミュニケーションをとっていく形が最も効率が良いのです。

 

よって、作業的な面においては、女性の方が有利かもしれないという話です。

 

 

 ちなみに、同じく男性である方にはわかって頂けると思うのですが、何かの作業中に話しかけられて集中状態が切れてしまうと、イラっとしてしまいます

(中には、雑談を得意とするコミュ力の持ち主で、作業しながらでも自動的な会話を行うことができる人もいるみたいですが)

 

そこで最近、その対策として私が実践しているのが、「ちょっと待って、今忙しいから」とキッパリ言うようにしています。

そして、本気で作業を終わらせて、話しかけてきた人の話に一点集中で相手します。

すると、その本気度合いが伝わって、印象も悪くはなりませんし、仕事もコミュニケーションも捗ります。

 

 

コミュニケーションのとり方

 

 続いて、コミュニケーションのとり方の違いを考察します。

 

男性は、会話中に生まれる問題点や目的を意識して、何が答えなのかを追求しようとする傾向があります。

 

女性の場合は、目的がなくても、とりあえず相手との会話が盛り上がればいい。あるいはお互いの気持ちが伝わったらいい。といった具合です。

 

つまり、コミュニケーションに、理論的な筋道を求める男性感覚的な共感を求める女性という違いがあります。

 

 もっと言うと、男性はプライドが高い生き物で上下関係を意識するため、どっちの意見が正しいかを判断しようとします。

女性の場合は、意見の内容より、相手の表情や声音を重視して、言動と感情に矛盾や違和感がないかを感覚的に捉えるそうです。

 

男性的な脳を持つ人ほど理屈っぽくて、女性的な特性を持つ人ほど直感が優れているということです。

 

 

 言うまでもありませんが、コミュニケーションのとり方の違いに関しても、 女性の方が介護職に向いているかと思います。

 

男性のように、何が正しいかと答えを追求し、論理的に物事を考えられるのも良いことなのですが、ハッキリ言って、認知症高齢者の方との間に正解などありません

もっと大げさに言ってしまうと、「わしが正義なのじゃ」と価値観やエゴを押し付ける人の方が多いくらいです。

 

つまり、何が正義であるのかを追求するより、いかにその人の言っていることに共感の態度を示す方が重要です。

 

人間誰しもそうだとは思うのですが、「私の言っていることは正しい」と自分を正当化したい生き物なのです。

 

どちらの意見が正しくてどちらが優位に立っているかを意識してしまう男性より、相手の感情を読み取り共感の態度を示せる女性の方が有利であるという見解です。

 

 

 

 

目標の立て方

 

  最後に、目標の立て方の違いについても考察してみましょう。

 

目標の立て方の違いを一言で表すと、理想が高いのが男性現実的なのが女性

です。

 

 

 

 基本的に、男性の方が理想が高いです。

 

大きな目標を掲げ、情熱を燃やし、夢に向かっているのが好きなようです。

話を盛ってしまう癖のある人や、誰も聞いていないのに自分の武勇伝を語る人は、現実の自分の姿が見えていないのでしょう。

(理想の自分に合わせて努力しているとしたら良いことなのでしょうが...)

 

それに対して、女性は現実的です。

白馬の王子様を待ち望むような乙女心をお持ちの方も多く、女性の方が理想を高く持つようにも見えますが、最終的には、現実的に実現可能な範囲での選択肢に目を向けるのが女性です。

男性に比べて、肉体的にも弱く、子供を身ごもると自分と合わせて2人分の命を守らなくてはなりません。

保守的になってしまう傾向にあるのも、当然の現象です。

 

個人的には、「もっと高みへ」とないものねだりになるのが男性で、「もっとより良く」と実現可能な選択をするのが女性であるという印象があります。

 

 

 ちなみに、レクリエーションの仕方にも違いがあります。

 

レクリエーションに限らず、プライベートな行事ごとなんかでも見られるのですが、

 

男性は、特別な出来事やイベントがないと盛り上がれないと考えます。

女性は、一緒に取り組む中で会話の流れから勝手に盛り上がると考えています。

 

理想のゴールに目を向ける男性と、プロセスを共有して楽しむ女性の違いの一例かと思います。

 

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男性にできること、女性にできること

 

 結論として、介護業務やその作業面において、女性の方が向いているという答えを出しましたが、最後に紹介した男性の方が目標を高く掲げる傾向にあるという特徴は大きな強みになるかと思います。

 

介護業務という、毎日が変わらないルーティンワークをこなすのは女性が得意ですが、それでは発展や成長の機会は訪れません

 

良い意味でも悪い意味でも、そのルーティンを打ち砕くのは男性が得意とします

 

現在の介護現場の非効率的な働き方に改革をもたらしていくためにも、男性には夢を見させて、実現までの目標を掲げさせましょう。

 

その目標に女性が共感することができたら、後は集団の力が発揮されるため、とても強力です。

 

男性にできることは、夢を見ること、そして追いかけること。

女性にできることは、夢を見させること、そして受け入れること。

 

だと思います。

 

閲覧ありがとうございました。

 

 

【参考文献】

男女脳戦略。――男にはデータを、女にはイメージを売れ

男女脳戦略。――男にはデータを、女にはイメージを売れ