介護学×心理学ブログ

低賃金、人手不足、3K、何かと問題ばかり抱える介護業界。なぜ、介護の分野は成長していかないのか?それは専門性が低いからであり、あったとしても感情的・根性論が多いのが現状。介護の専門性とは何か?どうすれば向上していくのか?介護の本質を知らない、あるいは興味がない経営者に代わって、論理的に解説するブログ。

黙ってなんかいられない!介護職員はこんなにも頑張っている。

 

 介護現場のリアルについて語りましょう。

 

施設経営者や一般の介護の現場を知らない人たちに聴いてほしい、介護職員の働き方の実態です。

 

また、同じく介護現場で奮闘している介護士さんたちには、共感して頂ける内容になるのではないでしょうか?

 

実際の介護現場では何が起きているのか、ネガティブに愚痴を話すのではなく、何が問題でどんな解決策が考えられるのかまでを深掘りしていけたらなと思います。

 

お付き合い下さいませ。

 

 【目次】

 

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介護現場で何が起きているのか?

 

 それでは、介護現場のリアルについて語りましょう。

 

どうしても愚痴っぽくなってしまう可能性がなきにしもあらずなのですが、安心して下さい、個人的な誹謗中傷や利用者についての言及は致しません。

 

それよりかは、介護職員の働き方の実態をお話していくつもりです。

 

介護職員はこんなにも頑張っているんだ!ということをみなさんの代わりになって声に出したいと思います。

 

そして、今回の記事を読んだ施設経営者や現場職員が次なる行動を考えるきっかけ作りにつなげていけたらなと考えています。

 

今後について一緒に考える機会を作りましょう。

 

そのためにまずは、介護現場で何が起きているのか、そのリアルを語りたいと思います。

 

 

サービス残業

 

 いきなり、サービス残業をテーマにお話していきます。

 

これは、介護現場だけではなく他の業界にもみられる問題点なのだとは思いますが、介護現場特有の問題点があります。

 

よく、「法律的には自分たちが正しい」と言って、残業代を出してもらえないなら定時で帰ることを強く推奨している人を見かけますが、介護現場ではそれが難しいのです。

 

なぜなら、目の前で困っている利用者を放って退勤できないのが介護士たちだからです。

 

 自分が退勤時間になり帰宅しようとしたところ、目の前で利用者が事故を起こしたりすると、さすがに放っておいて帰宅できないわけです。

 

他の職員はというと、自分の業務で手一杯で任せることができないこともあります。

 

つまり、何が問題なのかというと、元々交代勤務というシステムで業務をこなしていたにもかかわらず、それを行う人員が満足にいない人手不足と、

かといって業務をおざなりにして帰ると他職員に負担がかかり、最終的には利用者に悪影響を及ぼしてしまうことが気がかりになり、結局その場を離れらず自分が負担することになるのです。

 

 残業だけでなく、休憩時間にも同じことが言えます。

 

現在の業務でいっぱいいっぱいなのに、プラスαの仕事ができれば基本的に勤務時間外で行わなければなりません。

 

それなのに、残業代を出してもらえることは少ない。(ていうかこれが一番の問題点)

 

そして職員自身も、自らしている行動が故に申請を出し辛いのです。

 

これに関しては、正直に言ってもいいと思います、「利用者を放って帰れないんだ、残業代をくれ」ということを。

 

しかし、そんなことをしたところで残業代なんかもらえないと感じるのは、私を含めこの記事を読んでいる介護職員の方の本音だと思います。

 

 

 そこで、私から提案したいのは、現場の職員が一丸となってチームを組み、スムーズに交代できる業務内容への変更やシフトの入れ方などの工夫をすることです。

 

せっかく、いつも一緒に働いている職員同士なのだから、素直に表現してみましょう。

 

「最近、早出勤務の時、いつも定時で上がれなくないですか?」と、相談してみて、それに乗っかってくれる人と手を組んで、働き方を変革するのです。

 

経営者の方々は、残業代を出さないとか経費の削減などと規制をかけてはきますが、実際に現場で行われている業務に興味がないことが多いです。

 

これは、上司の悪口を言いたいのではなくて、経営者とはそういうものだからです。

 

人を雇うということは、人にお金を払って仕事を任せる行いということが言えて、業務上の責任をとり給料を払って、現場のことは現場の人間に任せていると捉えることもできます。

 

そういう意味では、現場にいる自分たちのアイデア次第で働き方や業務を変えて楽にすることができるということです。

 

国や会社に変化を求めるのではなく、実際の現場を知っている我々が頭を使って、変化をもたらす必要があり、その方が効果も高いと言えるのではないでしょうか?

 

 

お局様の存在

 

 これも、どんな会社でも共通して言えることかもしれません。

 

「お局様」という存在はどこに行ってもいます。

 

これについてはあまり長々と話しても仕方ないのですが、1つだけハッキリと言っておきたいと思います。

 

すぐに辞めさせた方が良いです。

 

 この存在は、言ってしまうと「ガン細胞」や「ニキビ」のようなもので、放っておくと悪化するか周囲にまで悪影響を及ぼします。

 

刺激になる行為をしてしまえば、ネガティブな影響が増すため、適切な処置が必要です。

 

そして適切な処置とは、なるべく速やかに丁寧に取り除くことです。

 

従業員をクビにする行為は、金銭面や人員面、会社イメージといった側面で良くない行為と考えがちですが、そんなことはないはずです。

 

金銭面と人員面で言えば、「お局様」にいじめられたことによって抜けていった人員を補充するための費用や負担の方が大きいはずです。

 

会社のイメージを保ちたいならなおさらです。

 

会社組織内の人間関係や雰囲気を良好にするためには、大勢の人間のために一人の人間を犠牲にするのは、決して間違った行為ではないと思います。

 

介護職員は、重労働や認知症ケアにより、肉体的にも精神的にも疲弊しています。

 

せめて職場の人間関係だけでも良好な状態にしておきたいものです。

 

 

どんな時も笑顔

 

 介護職員に逃げ場はありません。

 

自分が仕事をすっぽかしてしまえば、ほぼ直接的に人の命に関わるからです。(一人の従業員が欠勤したくらいで回らなくなる現状こそどうにかしなくてはならないのですが...)

 

そして、サービス業ならではの努めとも言える、利用者やその家族といったお客様の前では笑顔でいることが求められます。

 

 このようなことを言うと、実際の介護現場を知っている職員の方なら気づかれるかもしれません。

 

実際の職員の中には、笑顔なんかとは程遠く、睨みつけたり無視していたりすることは大いにあることです。

 

お客様といっても、相手は認知症高齢者、目の前で暗い顔をしようが睨みつけようが気が付かない方もおられます。

 

しかし、逆に言えば、そんな中でも、どれだけ疲れていても辛い状況であっても、「バレなきゃいい」と言って虐待や拘束になる行為を行わず、誰が評価するわけでもないのに笑顔で対応する職員は多いです。

 

いくら認知症の方といえど、不合理なことを何度も言ってきて精神的に参ってしまうこともあり、無視しても問題にならないのですが、プロとしての意識か罪悪感か、その人が安心できるようにと努力する人はいます。

 

そういった方々を、個人的に称賛したいですし、大切にしていくべき人材だと思います。

 

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経営者に聴いてほしい、介護現場のリアル

 

 いかがだったでしょうか?

 

介護現場のリアルについて語ってみました。

 

個人的な感情や愚痴が含まれた内容になっていたかもしれませんが、自分が「辛いな...」と思った時に頑張っている職員の方々を見て、「黙ってなんかいられない!」という思いに至り書いてみました。

 

「仕事が嫌なら辞めればいい」という意見には私も賛成ですが、実際の現場の職員たちは、単に介護の仕事が嫌だからとか利用者が嫌いという理由で愚痴を言ったりされていないように思います。

 

何が言いたいかというと、介護現場には利用者との関わりや介護という行為自体より、他の部分で問題点が多くあるということです。

 

 例えば、施設経営者や制度を作る側のお偉い人間たちが、「介護」の「か」の字も知らないことは大きな問題です。

 

途中、経営とはそういうものであり、現場のことは現場がなんとかすればいいと言いましたが、現場の人間には対処しきれない問題が増えていく一方です。 

 

「なんでこの給料でここまでしなくてはならないんだ」というのが本音の一つでしょう。

 

そこで言っておいてやりたいのが、現状の問題を対策しようとしない、または介護の現場や仕事自体に興味のない施設は、淘汰されていって優良企業のみが残っていきます。

 

むしろ、起業を勧められるこの時代、現場をよく知ってる人間が施設を建てたら、確実にケアの中身やサービスの質、働き方という点で負けてしまい、追い越されてしまうでしょう。

 

どこも人手不足で困っていて、インターネットの利用で簡単に転職できるこの時代、ブラック企業の経営者たちはうかうかしてられないと思います。

 

 

 そして、介護職員の方々は、目の前の利用者を放っておけないと言いましたが、より多くの人を助けるためには、今の環境から抜け出すことを厭わない姿勢を持ってもいいかと思います。

 

「これは違うと思うんだけどなぁ」「なんでこんな無駄なことしなくちゃいけないんだ」と思いながら働くよりかは、本当に価値がある介護を提供できる仕組みや環境作りに出た方がいいと思います。

 

重ね重ね言うと怒られるかもしれませんが、国や会社、その他大勢の集団に変化を求めるのは時間の無駄になる可能性が高いです。

 

それよりかは、相手が喜んでくれて、自分も働きやすい方へと変化していった方が事は早いし、お互いのためになります。

 

 

 今、あなたが辛いのはあなたのせいではないかもしれません。

 

気づかないうちに、あなたを苦しめるような環境に身を置いてしまっている可能性だってあります。

 

もし、少しでも違和感を感じたり、ストレスに苛まれる日々を送っているのなら、それ以上悪化しないためにも、何か変化になる行動に出てみるべきでしょう。

 

しかし、他人から受けたアドバイスや、社会や世間が正しいとする生き方を選択して行動しないのなら、その辛さは誰のせいでもなく行動しなかったあなた自身のせいだと思います。

 

どんな時も笑顔で利用者を安心させようと努力するあなたは、すでに頑張っています。

 

自分自身に対してそれ以上の努力を強いるよりも、その努力を認めてもらえる環境に身を置くことを視野に入れていきましょう。

 

あまり無理はしないで下さい。

 

閲覧ありがとうございました。